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不動産売却

狭小地を売却するコツを解説!売れない理由や価格を左右する要因は?

狭小地を売却するコツを解説!売れない理由や価格を左右する要因は?

狭小地とは、一般的に15~20坪よりも狭い土地を意味する通称です。総務省統計局の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、戸建て住宅の平均敷地面積は、全国平均が259.68㎡(約78.6坪)、東京23区でも117.78㎡(約35.6坪)なので、ずいぶん狭い土地だとわかります。

狭小地が生まれるのにはさまざまな理由が考えられますが、住宅事情と密接に関わっています。特に都心部では、小さくても利便性のよい場所にマイホームを持ちたいという需要によって土地を細分化し、狭小地が生み出されました。

しかし、狭小地は面積が小さい分、通常の土地に比べてデメリットもあり、売却が難しいといわれています。

今回は、狭小地が売れない理由や価格を左右する要因について解説します。

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狭小地の売却は難しい?

狭小地の売却が難しいといわれるのは、主に次のような理由からです。

  • 住宅の建築コストが上昇する
  • ローンの融資対象になりにくい
  • 仲介する不動産会社が積極的に営業しにくい

それぞれの理由について説明します。

住宅の建築コストが上昇する

一般的な戸建て住宅の半分以下の土地となると、十分な居住スペースを確保するには階数を増やすしか方法がありません。

ところが、土地には建ぺい率(建物の敷地として使える面積)と容積率(敷地に対する床面積)の規制があります。規制の範囲内で建てられる建物には上限があり、土地の面積が狭くなるほど建物は小さくなって影響が大きくなります。

狭小地に建てる住宅を「狭小住宅」と呼びますが、狭小住宅は専門にしている工務店や設計事務所があるくらいオーダーメイド的な住宅です。建築コストの高さから敬遠されやすく、その敷地である狭小地も売れにくい傾向があります。

ローンの融資対象になりにくい

購入する不動産を担保とするローンでは、狭小地の担保価値が低く評価されて、融資対象にならないおそれがあります。特に住宅ローンでは、土地面積や床面積に条件を設けている金融機関があり、融資が受けられる可能性が下がります。

ローンが利用できないと、どうしても購入検討者の絶対数が減り、売れにくい状況になりやすいです。

しかし、あくまでも購入する側の資金調達における事情にすぎず、狭小地そのものが持つデメリットではありません。売れにくい狭小地を売却するとき、買主の資金力は頭に入れておきたい要素のひとつでしょう。

仲介する不動産会社が積極的に営業しにくい

売主と買主を仲介する不動産会社の収入は、売買価格の一定率(約3%)で計算される仲介手数料です。同じ土地単価なら、使いやすい広さで流通性のよい土地のほうが歓迎されるのは説明するまでもありません。

つまり、仲介する不動産会社にしてみると、「売買価格が高い」「早く売れる」という条件をクリアできる土地ほど売却活動に力を入れたいのが実情です。狭小地に営業費用をかけてもコストパフォーマンスが低いといえるでしょう。

こうした理由から、不動産会社が積極的に動けない方向へなりやすく、ただでさえ売れにくい狭小地が余計に売れにくくなります。

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狭小地の価格を左右する要因

土地の価格は立地に大きく影響を受けますが、狭小地も例外ではありません。たとえば、以下のような需要の高いエリアで価格が上昇するのは理解できるでしょう。

  • 駅に近い
  • 買い物がしやすい
  • 閑静な住宅地
  • 再開発が計画されている

一方で、狭小地は使いにくさがネックとなり価格を下げそうですが、必ずしも下がるわけでもないのが土地取引の難しい面です。国土交通省の「土地情報総合システム」から、2021年の取引事例を以下の表でいくつか紹介します。

事例 所在地 最寄り駅 取引総額 坪単価 面積 形状
A 品川区戸越 戸越2分 9,500万円 190万円 170m² ほぼ長方形
B 品川区戸越 戸越3分 8,000万円 500万円 55m² ほぼ長方形
C 荒川区荒川 町屋6分 7,200万円 200万円 120m² 長方形
D 荒川区荒川 町屋5分 1,600万円 120万円 40m² ほぼ長方形

AとBを比べると、狭小地Bは坪単価が2.6倍も高く、CとDの比較では、狭小地Dの坪単価がCの6割です。このように、狭小地がどのくらいの価格で売られているのかは、個々の事例でまったく異なることがわかります。

一般的には、次のような要因で狭小地の価格は下落します。

  • 不整形で利用価値が低い
  • 接道義務違反で建物が建てられない
  • 敷地面積の最低限度を満たしていない

ここでは、それぞれの価格を下げる要因について詳しく説明します。

不整形で利用価値が低い

不整形(四角形ではない形状)の狭小地は、四角形の狭小地よりもさらに有効利用できる面積が小さく、価格を下げる要因となります。

不整形には、三角形や台形のほかにもさまざまな形状のものがありますが、多くの建物は四角形のため、角にスペースが生まれやすい土地形状ほど深刻です。

狭小地の中に描くことができる最大の四角形をイメージして、その面積が狭いほど(余る部分が広いほど)価格が下がると考えられるでしょう。

接道義務違反で建物が建てられない

建物の敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接しなければならないことが建築基準法で定められています。これを、接道義務と呼びます。つまり、接道義務に違反している土地は、狭小地に限らず建物を建てられません。

土地が狭いほど接道の幅は不足しやすい傾向にあり、以下のような用途にしか活用が見込めません。

  • 駐車場(出入口が確保できる場合)
  • トランクルーム
  • 太陽光発電
  • 野立て広告
  • 自販機置場

活用方法が限られている土地は買主も限定されるため、価格が下がります。

敷地面積の最低限度を満たしていない

接道義務をクリアしていても、地方公共団体(自治体)の条例により、建物の敷地に最低限度面積を設けられていることがあります。最低限度面積を下回る土地面積の場合は、建物が建てられません。

最低限度面積は、60㎡や100㎡など地方公共団体で異なり、さらに用途地域(土地の利用状況別に定められた区域)でも規制は変わります。

最低限度面積を満たない狭小地は、やはり価格が下がりますが、規制開始前から面積が下回っていた土地については、そのままの広さなら適用除外となります。詳しい内容は、土地があるエリアの地方公共団体に聞いてみましょう。

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狭小地を売却するコツ

狭小地は使いにくい特殊な土地のため、立地が優れていないと一般市場での売却が難しいのは確かです。しかし、狭いというだけの理由で市街地にある土地が売れないわけではありません。

狭小地の売却方法として、以下の3つが挙げられます。

  • 不動産買取
  • 仲介での売却
  • 隣地所有者との交渉

どのような土地にも必ずほしい人がいます。諦めずに売れるまでさまざまな方法を模索してみましょう。

不動産買取なら早くて確実

不動産買取は、不動産会社が買主となって直接土地を買い取ってくれる方法です。一般的な仲介による不動産売却と違い、広告などの売却活動をして買主を探す手間がありません。

  • とにかく狭小地を手放してしまいたい
  • 固定資産税の負担から解放されたい
  • まとまった現金がすぐにほしい

上記のように早く確実に売りたい方にとっては、不動産買取がもっとも優れた方法です。

買取価格は仲介での売却価格より約2~3割安くなる傾向にありますが、不動産会社が直接買い取ってくれるため、相手の資金力を考えなくてよいメリットがあります。

不動産買取の事業者には得意、不得意があり、すべての不動産会社が狭小地を買い取っているわけではありません。

おすすめは、狭小地の買取や再活用に特化した不動産会社に依頼することです。狭小地の取り扱いに慣れているため、信頼して任せられます。

まずは知識や経験が豊富な専門家に気軽に相談してみることが、狭小地を確実に売るためのスタートになるでしょう。

仲介で売る場合

仲介での売却が難しいのは、狭小地への需要の低さと、売却価格の安さからくる仲介手数料の安さです。しかし実際の取引事例で紹介したように、狭小地だから価格が安いとは限りません。不動産の売買価格は、それぞれの取引に応じた事情で変わります。

仲介においても、不動産買取と同様に不動産会社選びが重要なため、狭小地の仲介経験が多い不動産会社を選びたいところです。

また、大手の不動産会社よりも、むしろ地元密着型の不動産会社のほうが、地域の顧客を多く抱えて内情にも詳しいと考えられます。あまり常識にとらわれず、手広く相談してみるべきでしょう。

隣地の所有者と交渉

狭小地だけを持っていても用途は限定されますが、隣地の所有者が土地を広げたいと思っている可能性は十分にあります。増築用の敷地、家庭菜園やガーデニング、駐車場、物置用のスペースなど、狭小地が逆にちょうどよい広さとして使いやすいからです。

また、隣地も狭小地ならお互いに困っているはずなので、自分の狭小地を買い取ってもらう交渉だけではなく、仲介で同時に売り出してみるか、先に隣地を買い取って全体を売り出す提案も魅力的ではないでしょうか。

いずれにしても、狭小地でなくなれば売りにくい理由はなくなります。発想を変えて隣地の所有者と交渉してみるのは、試す価値のある有力な方法です。

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