安く家を建てるには?注文住宅で後悔せずに費用を抑える方法

家を安く建てることは可能ですが、暮らしづらい家になってしまっては意味がありません。一方で、こだわりの注文住宅を建てようとすると、数千万円もの住宅ローンを返済することになるため、できれば費用を抑えたいところです。
家を建てる費用を抑えるために、どのような工夫ができるのかを解説します。
安く家を建てるには「優先順位」が重要
家を安く建てるには、最初に家づくりの優先順位を決めることが大切です。できるだけ費用を抑えたいからといって必要な要素まで削ってしまうと、不便で暮らしにくい家になってしまいます。また、自分や家族のこだわりが反映できないと、せっかくの家づくりが楽しくないものになってしまうかもしれません。
そこで重要になるのが、家づくりの優先順位です。
たとえば、採光に優れたリビング、設備の充実した使いやすいキッチン、たくさんの衣類を収納できるクローゼットなど、人によって優先順位が異なります。すべてを希望通りにしようとするとそれだけ費用がかかるため、優先順位を決めて家族にとって大切なものを整理することが欠かせません。
そして、「必要なもの」「できれば欲しいもの」「なくても困らないもの」に分けると、費用を抑える場所を判断しやすくなります。安くすることだけを目的にせず、予算内で満足できる家づくりを目指しましょう。
注文住宅の費用を抑えやすいポイント
注文住宅は、土地の選び方や建物の形、設備などによって費用が変わります。どこに費用がかかりやすく、どこを調整しやすいのかを知っておくと、家づくりにかかる費用を抑えやすくなるのです。
家づくりを検討するうえで知っておきたい、注文住宅の費用を抑えるポイントを紹介します。
土地と建物を合わせた総額で考える
土地探しから始める場合は、土地と建物の総額で考えることが大切です。広い土地なら庭や駐車スペースを確保できるものの、それだけ土地代の負担が大きくなります。また、土地代が大きくなると、建物に使える予算が少なくなることもあります。
土地の広さを抑えることで、土地代・建築費を含めた総額を調整しやすくなります。ただし、土地が小さければ建築費が必ず安くなるわけではありません。
たとえば、限られた土地では3階建てにせざるを得ない場合があり、その場合は構造や階段、設備配置の関係で建築費が高くなることがあります。また、限られた敷地では、採光や動線をどう確保するかがより重要になります。
大切なのは、土地代だけ、建築費だけで判断しないことです。土地代と建築費の両方を見ながら、総額で無理のない計画にする必要があります。
限られた土地は空間の使い方で補う
土地の広さを抑える場合は、単に小さな家にするのではなく、空間の使い方を工夫することが大切です。限られた土地を活かす工夫には、次のようなものがあります。
- 廊下を少なくして、居室や収納に面積を使う
- 収納を1か所にまとめすぎず、使う場所の近くに配置する
- 階段下や壁面を収納として活用する
- 窓の位置を工夫して、視線の抜けをつくる
- 家事動線を短くし、限られた面積を効率よく使う
- 窓の位置を工夫して、視線の抜けをつくり、圧迫感を減らす
土地が広くなくても、間取り次第で暮らしやすさは変わります。
必要以上に広い土地は避け、敷地をうまく使える間取りを考えられれば、土地と建物を合わせた総額を抑えられるでしょう。
家の形をシンプルにする
建築費に影響しやすいポイントに、家の形があります。外観に凹凸が多い家や、複雑な屋根の家はデザイン性が高く見えるものの、それだけ材料費や施工費がかかります。
費用を抑えるなら、できるだけシンプルな形を検討するとよいでしょう。たとえば、1階と2階の面積が近い総二階の家は、施工がしやすく、建築費を抑えやすい形です。
総二階の家は1階と2階がほぼ同じ広さで、箱のようなシンプルな形になるため、もの足りなさを感じる人もいるかもしれません。しかし、家の外観にこだわりたいのであれば、玄関まわりや外壁の色、窓の配置などで変化をつける方法があります。
水回りをできるだけまとめる
キッチン、浴室、洗面、トイレなどの水回りは、配置によって工事費が変わります。水回り設備の場所が離れていると、給水管や排水管を長くする必要があり、配管工事が複雑になります。
そのため、費用を抑えるなら、水回りをできるだけ近い場所にまとめるとよいでしょう。キッチンの近くに洗面所や浴室を配置すると、配管経路を短くできるだけでなく、料理や洗濯などの家事動線も短くできます。
2階にもトイレや洗面台を設ける場合は、できるだけ1階の水回りがある位置にそろえるとコストを抑えやすくなります。ただし、配管を優先しすぎて家事動線が悪くなると暮らしにくくなるため、費用と使いやすさのバランスを考えて検討しましょう。
設備のグレードにメリハリをつける
キッチン、浴室、洗面台、トイレなどの設備は、グレードによって費用が大きく変わります。高機能な設備やデザイン性の高い設備には満足感がありますが、上位グレードを選ぶほど費用は上がります。
費用を抑えるには、設備ごとにメリハリをつけることが大切です。料理をする時間が長いならキッチンにこだわる、入浴時間を大切にしたいなら浴室を重視するなど、暮らしに合う部分を優先しましょう。
一方で、あまりこだわりがない部分は標準仕様を選ぶ方法もあります。標準仕様とは、工務店が基本のプランとして用意している設備や建材のことです。必要最低限の機能がそろっていれば、標準仕様を選んでも日常生活に大きな支障はありません。
窓の数や大きさを見直す
窓は採光や風通しに関わる大切な部分です。一方で、大きな窓は費用がかかるだけでなく、断熱性にも影響します。夏は窓から熱が入りやすくなり、冬は窓から熱が逃げやすくなるためです。そのため、窓の数や大きさは慎重に決めたいところです。
家の中を明るくしたいからといって、すべての部屋に大きな窓をつける必要はありません。日当たりのよい方角、外からの視線、家具の配置などを考えて、必要な場所に絞ることが大切です。
窓を少なくしすぎると、室内が暗くなったり、風通しが悪くなったりします。費用を抑えることだけを考えず、明るさ、風通し、断熱性、防犯性のバランスを見ながら計画しましょう。
造作家具は必要な場所に絞る
造作家具とは、家の雰囲気に合わせてオーダーメイドでつくる棚や収納、カウンターなどのことです。部屋の広さや形にぴったり合わせられるため便利ですが、基本的に既製品より費用がかかります。
たとえば、テレビボードや本棚、洗面カウンター、ワークスペースなどをすべて造作家具にすると、デザインを統一できますが、それだけ費用がかかってしまいます。費用を抑えたい場合は、造作する場所を絞ることが大切です。市販品ではサイズが合いにくい場所を造作にし、市販の家具を置いて対応できる場所は、暮らしながら整える考え方もあります。
安くしたくても削らないほうがよい部分

注文住宅は費用を抑えられる部分がある一方で、安易に削らないほうがよい部分もあります。特に、断熱性や耐震性、外壁や屋根などは、住み心地や安全性、将来の維持費に関わります。見た目ではわかりにくい部分ほど、住み始めてから差が出やすいため、慎重に判断しましょう。
断熱性や気密性
断熱性とは、外の暑さや寒さを室内に伝えにくくする性能のことです。気密性は、家のすき間を少なくし、外気が入りにくい状態にする性能を指します。どちらも、住み心地や光熱費に関わる大切な要素です。
断熱性や気密性の低い家は、夏は暑く、冬は寒い家になりがちです。室温を保つために冷暖房の負担が増えれば、毎月の光熱費にも影響します。
断熱材や窓の性能のランクを下げると、建築費が安くなったと感じるかもしれません。しかし、外気の影響を受けやすくなり、夏の暑さや冬の寒さを感じやすくなります。長く暮らすことを考えると、日々の快適さや光熱費への影響は無視できません。初期費用と住み始めてからの費用を合わせて考えましょう。
耐震性や構造
耐震性や基礎構造は、家の安全性に関わります。普段の生活では見えにくい部分ですが、地震や台風などの災害が起きたときに重要になります。
内装や設備はあとから変更できる場合があるものの、家の構造に関わる部分は建てたあとで大きく変えることが困難です。家づくりでは、見た目や設備に目が向きがちです。しかし、安心して長く暮らすためには、見えない部分の品質も欠かせません。
工務店に費用を抑える相談をするときも、安全性を保てる範囲で考える必要があります。
外壁や屋根
外壁や屋根は、雨風や日差しから家を守ります。家を建てたあとも長く使い続ける場合、材料の選び方によって将来の修繕費が変わります。
初期費用だけを見て材料を選ぶと、補修のタイミングや塗装の塗り直え時期が早まることがあります。必ずしも高い素材を選ぶ必要はありませんが、耐久性や手入れのしやすさも含めて判断することが重要です。
家は建てて終わりではなく、その後も維持するための費用がかかります。外壁や屋根は外から見える部分でもあり、家の印象にも関わります。建築費だけでなく、将来の修繕費も含めて考えましょう。
予算内で建てたいなら早い段階で工務店に相談する
安く家を建てたい場合は、間取りや仕様を固めてから相談するよりも、まずは予算感を伝えるほうが進めやすくなります。希望を細かく決めてから見積もりを取ると、予算を超えたときに大きな見直しが必要になるためです。
工務店に相談すれば、土地の条件や暮らし方に合わせて、建物の形、面積、設備の選び方を調整しながら提案を受けられます。特に、限られた土地を活かす家づくりでは、敷地の使い方や間取りの工夫が重要になります。
予算を伝えたうえで、どこを標準仕様にし、どこに費用をかけるべきかを説明してくれる工務店であれば、提案内容を判断しやすくなります。土地と建物を合わせた総額で考えながら、無理のない家づくりを進めましょう。







