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住まいのノウハウ

防音リフォームをする前に知っておきたいポイント。工事方法ごとの費用と注意点

防音リフォームをする前に知っておきたいポイント。工事方法ごとの費用と注意点

防音リフォームを成功させるには、「どの音を、どこまで抑えたいのか」を明確にすることが重要です。普段の生活のなかで、車の走行音や近隣の生活音、室内の足音などがストレスに感じる方もいるでしょう。

防音リフォームはこうした悩みを軽減するのに有効な手段ですが、工事内容や施工範囲によって効果や費用が大きく変わるため、事前に目的を明確にしておく必要があります。防音リフォームのポイントや、工事場所ごとの費用目安、注意点について分かりやすく解説します。

防音リフォームの前に知っておきたいポイント

防音リフォームは、目的や求める防音レベルを明確にしたうえで進めることが重要です。楽器演奏なのか、ホームシアターなのか、生活音対策なのかによって、必要な工事内容も費用も大きく異なります。まずは、自分が「どの程度まで音を抑えたいのか」を整理しておきましょう。

このように、防音リフォームは「思っていたより高額」になりやすい点を理解しておくことが大切です。特に楽器演奏のように音量が大きい用途では、遮音・吸音の両面から対策を講じる必要があり、工事内容も本格的になります。

自分が求める防音レベルを決める

自分が求める防音レベルによって工事費用が大きく異なります。そのため、まずは自分がどれくらいの防音レベルを求めているのか考えることが大切です。

たとえば、「できる限り防音したい」「今より多少騒音を抑えたい」「気になる騒音だけなくしたい」など、騒音に関する悩みを一度整理してみましょう。

悩みの範囲を明確に定めることで、自分が求めている防音レベルが分かり、どのようなリフォームが必要になるのか理解できます。

騒音が発生する原因

騒音といっても近隣工事の音や住民の生活音、ペットの鳴き声など、さまざまな原因が考えられます。一般的に近隣騒音と分類される音をまとめました。

騒音の種類発生原因騒音の特徴
住宅用機器洗濯機、掃除機、エアコンの室外機、換気扇など・モーター音や振動による音が中心
・機器の性能や設置状況などによって音の大きさが左右される
・振動が床や壁を通じて伝わるケースも多い
住宅用設備浴室、トイレの排水音、扉の開閉音など・建物の構造や配管経路に影響を受けやすい
・衝撃や振動が壁や床を伝って広がる「固体伝搬音」の場合が多い
・個人の対応だけでは抑えられないケースがある
音響機器テレビ、スピーカー、ピアノ、ホームシアターなど・空気を伝わって音が広がる「空気伝搬音」が中心
・音量調整や使用時間の配慮で改善できることも多い
・重低音は壁や床を通じて伝わりやすい
生活・行動音人の話し声、足音、ペットの鳴き声、自動車・バイクの走行音・日常生活に伴って断続的に発生する
・足音などは振動を伴うため、階下や隣室に伝わりやすい
・ライフスタイルによる影響が大きい

騒音は自分で解決できるものもあれば、業者への依頼が必要なものもあります。適切なリフォームを実施するために、騒音が発生する原因を調べておくことは非常に重要です。

遮音等級とは?防音性能を示す目安を知っておこう

防音リフォームを検討する際、「どの程度の防音性能が必要か」ということを把握しておくことが重要です。その目安となるのが「遮音等級」です。

遮音性能は主に「D値(空気伝搬音)」と「L値(床衝撃音)」で表されます。それぞれの特徴や違いについて理解しておきましょう。

D値(Dr値)とは

D値は、人の話し声やテレビの音など、空気を伝わって広がる音(空気伝搬音)の遮音性能を示す指標です。数値が大きいほど遮音性能が高いことを示しています。

目安は以下のとおりです。

  • D-40程度:日常会話がある程度聞こえるレベル
  • D-45程度:会話の内容は聞き取りにくい
  • D-50程度:ほとんど気にならない
  • D-55以上:楽器演奏にも対応しやすい高遮音性能

ピアノやホームシアターなどを使用する場合は、D-50以上を目標にするケースとよいでしょう。

L値とは

L値は、足音や物を落とした音など、床への衝撃によって発生する音(固体伝搬音)の遮音性能を示す指標です。D値とは異なり、数値が小さいほど性能が高いという特徴があります。

目安は以下のとおりです。

  • L-65程度:足音がはっきり聞こえる
  • L-55程度:生活音として認識できるが大きな支障はない
  • L-45程度:マンションで一般的に求められる水準
  • L-40以下:高性能な遮音床

マンションでは管理規約で「L-45以下」などと定められていることもあるため、床の張り替えを行う場合は必ず確認しましょう。

遮音等級を理解しておくことで、「なんとなく防音する」のではなく、目標となる設定を具体的に決めたうえでリフォーム計画を立てられるようになります。

防音リフォームに関する相談先

防音リフォームは居住形態によって相談先が異なります。分譲マンションの場合は、管理規約によって工事の制限を受ける可能性があるため、最初に管理組合へ相談しましょう。

賃貸物件の場合は、管理会社や大家さんの事前承諾なしでリフォームすることは原則できません。勝手にリフォームを行うと契約解除の対象となったり、原状回復費用を請求されたりする可能性があるため、必ず事前に相談してください。

戸建ての場合は、建物の構造や仕様を把握している新築時のハウスメーカーに相談するのがおすすめです。ただし、ハウスメーカーの中には防音リフォームを請け負っていないところもあります。

対応できるハウスメーカーは限られるため、早めに防音リフォームの施工実績がある業者へ相談するとよいでしょう。

防音リフォームの種類と工事ごとの費用相場

自宅の床に防音シートを貼っている女性

家の中で音が漏れたり、外の音が入ってきやすい場所は、床、壁、窓です。防音リフォームでは、主にこの3つの場所に対して、適切な工事を行うことが重要になります。

リフォームの内容によって費用が大きく変動するため、場所ごとに防音リフォームの種類と費用相場について見ていきましょう。

床の防音リフォーム

床の防音リフォームは、一般的に階下への足音対策ありますが、音の反響を抑える吸音は室内の音響改善に有効です。一方、遮音は音が通り抜けるのを遮る対策のため、隣室や屋外への音漏れ防止に効果があります。防振は衝撃による振動の伝達を抑える方法のため、足音などの固体伝搬音対策として重要です。

室内で発生する音を軽減する効果も期待できるため、自分の生活音を改善したい場合にも最適です。主な工事内容としては、防音フローリングを使用する、遮音マットを敷く、吸音材を使用するなどが挙げられます。

リフォーム内容費用相場(6畳想定)特徴
防音フローリング6万円~25万円衝撃音を吸収する床材の張り替えで対応できるため、工事規模は比較的小さい
遮音マット30万円~60万円既存の床の上から施工する場合は比較的安価だが、床材を解体して施工する場合は費用が高額になりやすい
吸音材35万円~80万円階下の音漏れ対策としては効果が限定的なため、遮音対策と併用されて行われることが多い

上記は6畳の部屋を想定した費用相場です。部屋が広くなるほど費用は高くなりますし、既存の床材を撤去するかどうかでも費用が変動します。事前に防音リフォームの見積りを確認し、予算内で適切な方法を選びましょう。

壁の防音リフォーム

壁の防音リフォームは、静かな環境を実現するだけでなく、プライバシーを確保する効果もあります。特にマンションや隣家が近い戸建てでは、ストレスを軽減できるでしょう。

主な防音リフォームの工事内容と費用をまとめました。

リフォーム内容費用相場(6畳想定)特徴
防音材を入れる15万円~35万円空気伝搬音(話し声・テレビ音など)の軽減に効果があるが、工事範囲によっては壁の一部解体を行う場合がある
二重壁にする30万円~70万円既存の壁の上に新たな壁を設ける工事で、壁が厚くなることで室内が狭くなる点には注意が必要
換気口を防音仕様にする2万円~5万円音が出入りする換気口を防音仕様にする工事。比較的簡易な施工のため、低コストで対策できる

壁の防音リフォームは、騒音の内容によって最適な素材が異なるため、専門的な知識を持つ業者へ依頼したほうが確実です。なお、二重壁などリフォーム内容によっては部屋が狭くなる場合があります。

窓のリフォーム

窓はガラスを通して外の音が直接入ってくるため、家の中で最も音が行き来しやすい場所といえます。

特に車の走行音や通行人の声など、外からの騒音対策には窓のリフォームが効果的です。工事内容とそれぞれの費用相場は表のとおりです。

リフォーム内容費用相場(6畳想定)特徴
内窓の設置(1窓あたり)8万円~15万円窓が二重構造になるため、防音と断熱性の向上に効果がある
防音ガラス5万円~20万円既存のサッシを活かし、防音性能の高いガラスに交換することで、外からの騒音の侵入を抑える
サッシごと交換(カバー工法)15万円~50万円既存の窓枠の上から新しい枠を被せて施工する方法、窓全体の気密性や遮音性を高めやすい

※いずれも1窓あたりの費用

共同住宅では、窓枠や窓ガラスは共用部分として扱われることが多く、個人でサッシ交換ができないケースがあります。防音リフォームの可否は、管理規約や管理組合に確認してから行いましょう。

防音リフォーム単体では補助金の対象になりにくいものの、窓の断熱改修など他のリフォームと併せて行う場合は、補助金制度の対象になる場合があります。

防音のリフォームを進めるうえでの注意点

防音リフォームは、注意すべきポイントを理解しておかないと予想以上に費用がかかってしまったり、思っていた防音効果が得られなかったりする可能性があります。

後悔しないためにも、リフォームを進めるうえで確認すべきことを解説します。

部屋に熱がこもりやすくなる

防音リフォームのなかには、家の気密性を向上させる工事があります。そのため、部屋の換気がしづらくなり、部屋に熱や湿気がこもりやすくなります。湿気が高くなるとカビや雑菌が繁殖しやすくなるため、エアコンや除湿機、換気扇を設置して、適切な管理を行いましょう。

ただ、見方を変えれば、冷暖房効率が高まったという点ではポジティブに捉えることもできます。気密性や遮音性が向上することで、外気の影響を受けにくくなり、室内の温度を一定に保ちやすくなるためです。実際、内窓の設置や遮音リフォームによって「冬でも室温が下がりにくい」「冷暖房の効きが良くなった」といった声は少なくありません。

工事内容に応じて構造計算が必要になる

構造計算とは、建物を建築する際に、安全性と自然災害が発生した場合の耐久性を確認するための計算方法です。

防音リフォームでは、工事内容に応じて石膏ボードを重ね張りするなど、部材を追加するため重量が増えることがあります。それらの重さに家の基礎が耐えられるのか確認しなくてはいけません。

住宅の重量負荷や構造に影響を与えるリフォームを行う場合は、事前調査と構造計算が必要になるのです。なお、防音リフォームの内容によっては、建築基準法の「大規模の修繕・模様替」に該当し、建築確認手続を行うことになります。

国土交通省の資料では、2025年4月以降に2階建ての木造戸建て住宅などで、主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)のうち、1つ以上で過半(1/2以上)の改修を行う場合は、手続きの対象となることが明記されています。

そのため、防音リフォームの計画内容がこの要件に該当するかどうか、事前に施工会社や行政の窓口で確認しておきましょう。

参考:国土交通省「リフォームにおける建築確認要否の解説事例集(木造一戸建て住宅)

見積り書では素材や工事の範囲も確認する

防音リフォームの効果は、使用する防音材の種類や工事の範囲によって左右されます。そのため、見積り書を確認する際は、単に金額を見るのではなく、どのような防音材を、どの程度の範囲(部屋の一部か全面か)で施工するのかチェックしましょう。

「防音工事一式」といった曖昧な表記では、期待していた防音効果が得られないリスクがあります。また、事前に打ち合わせした内容が異なるケースもあるため、疑問に思った時点で必ず担当者に確認しましょう。

防音性能は施工内容に直結するため、見積り段階で工事内容と想定される効果を理解しておくことが大切です。

DIYの場合は適切な素材を選ぶ

防音リフォームでは、市販の部材を購入して自分で行う方法もあります。

防音シートや吸音材などは、ホームセンターやインターネットで購入できるため、コストを抑えて手軽にできることがメリットです。一方で、騒音の原因に対して適した材料・素材を選ばないと、期待していた防音効果が得られない可能性があります。

また、DIYで防音できる範囲には限りがあるため、高い防音効果を得るには、プロによる施工が必要になるでしょう。防音リフォームに求める効果は人によって異なるため、一度リフォーム会社へ相談すると確実です。

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