狭小住宅[15坪・3階建て]住み心地のいい家づくりのポイント
狭小住宅というと「狭い」という、マイナスイメージを抱く人も多いでしょう。しかし、狭小住宅にはそれを上回る、魅力的なポイントがいくつもあります。間取りを工夫すれば、十分に快適に暮らすことも可能です。
15坪の3階建て住宅の間取りアイデアや、明るい壁紙・収納の工夫など住み心地アップのポイントを解説します。限られたスペースを上手に活用して、理想の住まいを実現しましょう。
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目次
15坪でも快適!狭小住宅のメリットと注意点
狭小住宅と聞くと「狭い」「暗い」など、マイナスイメージを持つ人もいるかもしれません。しかし近年は、首都圏を中心に15~20坪くらいの狭小住宅が「コンパクト住宅」として人気を集めています。
狭小住宅は一見デメリットが多いように感じますが、デザインによっては狭さを感じさせない快適な家づくりが可能です。15坪の土地にどんな家が建てられるのか、また狭小住宅のメリット、注意点などについて解説します。
15坪の土地の広さ、どんな家が建てられる?
15坪を平米(㎡)に換算すると、約50㎡になります。坪や㎡は日常生活であまり馴染みがないため、「広さをイメージできない」という方もいるかもしれません。
では、50㎡のマンションを想像してみましょう。ワンフロアで生活できるマンションの場合、50㎡であれば1LDK、2K、2DKの間取りが目安となり、一人暮らしや二人暮らしに適した広さとなります。
一方、50㎡の土地に一戸建てを建てる場合は、階ごとに居住スペースや駐車場を確保できます。そのため、間取りによっては3~4人家族で生活することも十分可能でしょう。しかし、土地には「建ぺい率」「容積率」などの、建築制限があるため注意が必要です。
建ぺい率 | 敷地面積に対する建築面積の割合 敷地面積×建ぺい率 |
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容積率 | 敷地面積に対する延床面積の割合 敷地面積×容積率 |
簡単に説明すると、建ぺい率は敷地に対する「1階部分の床面積」の上限を示しています。一方の容積率は、「建物全体の延床面積」の上限になります。容積率が大きいほど縦の空間を使用できるため、広々とした家を建てられます。実際に土地15坪、建ぺい率50%、容積率100%の家の広さを確認してみましょう。
【例1】土地15坪(49.59㎡)、建ぺい率50%、容積率100%
建ぺい率は、49.59㎡×50%=24.79㎡(約7.5坪)となり、容積率は100%のため土地面積と同じ15坪(49.59㎡)となります。
この土地の場合、建ぺい率50%、容積率が100%と建築制限が厳しく、1階2階ともに24.79㎡(7.5坪)までしか確保できません。1~2人暮らしであれば十分に生活できますが、3人以上は窮屈さを感じるおそれがあります。
【例2】土地15坪(49.59㎡)、建ぺい率60%、容積率200%
建ぺい率は、49.59㎡×60%=29.75㎡(約9坪)、容積率は49.59㎡×200%=99.18㎡(約30坪)となります。建ぺい率60%、容積率200%の土地は、用途地域によっては3階建てを建築できます。3階建てであれば、3~4人家族でも十分に生活できるでしょう。
狭小住宅のメリット
マイナスイメージのある狭小住宅ですが、次のようなメリットもあります。
- 利便性の良い住環境が得られる
- 維持費や税金が安い
- 掃除の手間がかからない
- 価格が安く買いやすい
狭小住宅は、都心部に集中していることが多いため、通勤・通学に大変便利なことが多いです。また、商業施設や医療機関、教育施設など、充実した住環境を得られるのは大きなメリットといえます。
さらに狭小住宅は一般住宅に比べて、固定資産税や都市計画税を安く抑えられます。ただし、住んでいる自治体によって税率が異なるため、事前に確認しておくと安心です。狭小住宅は、家全体がコンパクトなため、掃除や手入れがしやすく家事動線もスムーズでしょう。「人気エリアは土地が高すぎて買えない」という方も、狭小地なら購入しやすいのも魅力です。
狭小住宅を建てる際の注意点
狭小住宅を建てる際の、注意点について見ていきましょう。
- 隣家と距離が近くなりやすい
- 採光や通風が確保しにくい
- 階段の上り下りが必要
狭小住宅は市街地や密集地に建築されることが多く、隣家との距離が近くなりやすい傾向にあります。隣家と距離が近いと、人目が気になり1日中カーテンを閉めっぱなしにしたり、セキュリティ面が心配で窓が開けられなくなったりするかもしれません。
これらは採光や通風へも大きく影響し、ダニやカビ、湿気の原因となります。また、狭小住宅では、日常生活で上下の動きが多くなります。階段の上り下りは避けられないため、高齢者や足の不自由な人だと負担になる場合もあるでしょう。
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土地15坪・3階建ての間取りのアイデア
狭小住宅は、不整形地であったり、建築制限があったりする土地も多く、一般住宅よりも高度な設計技術が必要です。
間取りを考えるときは、設計士や不動産に精通する人のアイデアを参考にしながら家づくりを行いましょう。狭小住宅の間取りアイデアを紹介します。
ビルトインガレージで駐車場を確保
狭小住宅は土地の広さが限られているため、駐車場を確保するのが難しいと思われがちです。しかし、ビルドインガレージを採用すれば駐車場を確保できます。ただし、1階部分の居住スペースが削られるため、リビングやキッチンは2階以上に配置する必要があります。
また、ビルドインガレージは1階のほとんどが駐車場であり、道路に面して間口をつくらなくてはなりません。そのため、通常より壁や柱が少なくなり耐震性や耐久性が弱まるおそれがあります。対策としては、鉄骨造、コンクリート造を採用する、住宅性能の高い施工会社に依頼する、などがあります。建築費用はかかりますが、家族が安心・安全に生活できる方法を選択しましょう。
リビングを家の中心(2階)に配置
リビングは家族が集まり、コミュニケーションを育む大切な場所です。また、人を招いたり、くつろいだりする場所でもあるため、明るく開放的な空間が望ましいでしょう。
たとえば、1階のリビングは自然光が入りにくく、暗い、寒いなどの懸念点があります。一方3階リビングは、日当たりや眺望は良好ですが、買い物や重たいものを持って運ぶのが大変です。そのため、家の中心である2階にリビングを配置するのがおすすめです。2階リビングは、上下階からのアクセスもしやすく家族の憩いの場として役立つでしょう。
勾配天井や吹き抜けで圧迫感をなくす
狭い家を快適な場所にするには、なるべく圧迫感や狭さを感じさせない工夫が必要です。たとえば、勾配天井や吹き抜けを取り入れることで縦の視界が広がるため、通常よりも空間を広く見せ、圧迫感をなくせます。
なるべく壁や扉をなくし、空間を区切らないようスキップフロアを採用するのもおすすめです。どうしても壁や仕切りが必要な場合は、家具で仕切ったり、パーティションやカーテンを使用したりする方法を取り入れてみましょう。
ロフトは床面積に含まれない
ロフトは建築基準法で「屋根裏物置等」いわゆる「収納」として扱われているため、延床面積に含まれません。天井の高さが1.4m以下、はしごが固定されていない、などいくつかの注意点はありますが、上手く活用することで空間を無駄なく使用できます。
「子ども部屋+ロフト」で秘密基地のような空間にしたり、「吹き抜け+ロフト」で作業スペースにしたり、家族やご自身の希望に合わせてさまざまな使い方ができるでしょう。
水回りは一つに集約してコンパクトに
狭小住宅では、なるべく水回りを一つに集約させて動線をコンパクトにすることが重要です。水回りがまとまっていると家事動線が良好になり、日常生活で階段の上り下りを減らせます。
また、トイレの位置と設置数は慎重に検討しましょう。子どもや高齢者のいるご家庭では、階違いのトイレに一人で行けない場合や、トイレに急いでしまい階段で思わぬ事故でケガをするおそれがあります。トイレの位置は家族構成やライフスタイルに合わせて、適切な配置を行うことが大切です。
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狭小住宅の住み心地を快適にするアイデア
狭小住宅はスペースを有効活用することで、住み心地がアップします。また、ちょっとした工夫で空間を広く見せたり、明るく見せたりもできます。
ここでは、狭小住宅の住み心地を快適にするアイデアを紹介します。家づくりをする方は、ぜひ参考にしてください。
天窓・高窓で明るい室内に
隣家との距離が近くなりがちな狭小住宅では、周囲の建物に自然光を遮られるため、日当たりが悪くなります。また、家の中が丸見えにならないように窓の位置にも注意しましょう。
狭小住宅で窓を設置する場合は、天窓や高窓を設置して上から自然光を取り込む方法がおすすめです。プライバシーを守りながら光を取り入れ、明るく開放的な空間づくりが実現します。
デッドスペースを活用して収納力アップ
狭小住宅は生活スペースが限られているため、ものがあふれていては快適に生活できません。そのため、世帯数やライフスタイルに合わせて計画的に収納スペースを確保する必要があります。
たとえば、階段下はデッドスペースになりやすいため、子ども用の収納、掃除用具入れ、パントリーなどとして活用するのがおすすめです。また、ベッドの下、ソファの下、洗濯機の上、トイレの上、壁面などを有効活用することで収納を増せます。飾り棚や造作棚を用いて、見せる収納にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
明るい壁紙を選んで視覚的に広く見せる
明るい色、淡い色、薄い色の壁紙は、部屋を広く見せることも可能です。さらに、カーテンや家具の色味を統一させることで、部屋全体がスッキリとした印象になります。黒や濃いグレー、単色を使用したい場合は、トイレや玄関、寝室などにアクセントとして使用すると良いでしょう。
さらに、天井や床の色を考えて選ぶことで、より開放的な空間を演出できます。壁紙で部屋の印象は大きく変わるため、理想の家をイメージしながら最適なものを選びましょう。
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