狭いトイレのリフォームで広く快適に!設備選びのポイントも解説

狭いトイレは、座ったときの足元の狭さや圧迫感が気になるなど、居心地の悪さを感じることがあります。しかし、間取りを変更しなくても、リフォームで快適な空間に改善することは可能です。
設備の選び方やレイアウトを少し工夫するだけで、使い勝手は大きく変わります。限られたスペースを最大限に生かすためのポイントを紹介しますので、快適に使えるようにリフォームしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
狭いトイレのリフォーム前に確認すべき項目
狭いトイレでも、リフォームすることで使いやすい空間に生まれ変わります。ただし、リフォームする際は以下の4点を事前に確認しておくことが重要です。
- トイレの広さ
- 排水管の勾配
- バリアフリーリフォームの有無
- 予算やリフォーム内容
項目ごとに詳しく見ていきましょう。
トイレの広さ
トイレが狭いと希望の設備が導入できない可能性があります。そのため、事前にトイレの正確な寸法を確認しておくことは非常に重要です。
トイレの広さは一般的に、戸建ては1帖前後(約91×182cm)が標準的で、マンションでは0.8帖前後(約91×182cm)と、少しコンパクトになるケースが多いです。一方、バリアフリー対応は少なくとも幅120cm以上×奥行160cm以上(約0.75坪目安)、介助が入る場合は幅160〜180cm×奥行160〜180cm程度が必要です。
このように、トイレをリフォームする場合は、目的によっても必要な広さが変わってきます。まずは、現在の広さを把握するとともに、リフォームする目的を明確にすることが大切です。
排水管の勾配
排水管の勾配が確保できないと悪臭やつまりの原因になるため、トイレリフォームでは重要なポイントです。
まずは、現在の排水方式が「床排水」か「壁排水」のどちらかを確認します。床排水の場合、排水管が床下を通っているため通常は見えません。一方、壁排水は壁から排水管が出ているため、便器の後ろや左右から確認できます。
排水方法によって配管ルートの自由度が大きく異なり、選べる便器の種類やレイアウトに影響するため、確認しておく必要があるのです。
次に、排水管の勾配は一般的に1mにつき1〜2cmの傾斜が基準になります。トイレリフォームで便器の位置を移動させる場合、勾配を確保できるだけのスペースが床下や壁面にあるかどうかが重要なポイントです。
なお、勾配がきつすぎると固形物が詰まる原因になるため注意が必要です。万が一勾配が取れない場合は排水装置を設置する、便器の位置を変更しないなどの対策でリフォームが可能になります。
排水管の勾配については専門的な知識が必要なため、リフォーム会社や工務店に確認してもらいましょう。
バリアフリーリフォームの有無
バリアフリーリフォームを検討する場合は、必要なスペースの確保と安全性の高い設備の導入が重要です。
たとえば、空間を広く使うためにタンクレストイレを検討したり、ドアを引き戸にしたりする方法があります。また、トイレ内の段差をなくしたり、手すりを設置したりすることで安全性を高める方法も有効です。
ただし、前述のとおりバリアフリーリフォームをする場合は、ある程度の広さが必要になります。車椅子の利用や介助スペースを考慮すると、1畳以上の広さが望ましいでしょう。
予算やリフォーム内容
そもそも「トイレリフォーム」といっても、全体をリフォームするのか、内装だけリフォームするのかなど、工事内容によってかかる費用は大きく異なります。
そのため、予算によってリフォームできる範囲や内容が限られるとも言えます。便器を最新のタンクレストイレにしたら、内装リフォームをする予算が足りなくなったといったケースは珍しくありません。
どのようなリフォームを行いたいのか、予算はいくらまで用意できるのかを事前に検討しておくことが大切です。
自分で優先順位が決められないときは、リフォーム会社に相談して予算と希望を伝えましょう。信頼できる会社であれば、予算内でリフォーム可能なプランを提案してくれます。
狭いトイレのリフォームで広く・快適にするポイント

トイレが狭い場合でも以下のように工夫することで、トイレを広く・快適にリフォームすることができます。
比較的簡単に取り入れられるリフォーム例をご紹介します。
トイレのドアを工夫する
狭いトイレでは、ドア選びを工夫することで空間を広く使用できます。おすすめは、外開きまたは引き戸に変更することです。
外開きドアの場合、トイレ内を圧迫せず空間が広く使用できるため出入りが楽になります。ただし、ドアの外側には十分な開閉スペースが必要です。
また、引き戸は引き込みスペースが必要になるものの、開閉スペースが不要のため空間を最大限活用できるでしょう。バリアフリーにも適しているため、狭いトイレでも機能性や快適性を向上させることが可能です。
壁紙の色を同系色でまとめる
トイレの壁紙を同系色でまとめることで、狭い空間を広く見せられます。おすすめは、白、グレージュ、ペールカラーなど明るい色で、柄物ならストライプや小さな柄がよいでしょう。
さらに、ツヤのある素材を選べば光を反射してより広く、奥行きのある空間に見せることができます。一面だけ色を変えてアクセントクロスにすると、圧迫感なくおしゃれなトイレに仕上がります。
間接照明を取り入れて明るくする
トイレの照明はただ明るくするだけではなく、空間の雰囲気を演出するための重要な役割を担っています。そのため、明るさや色温度、光の種類を考慮して適切な照明を選ぶことが大切です。
たとえば、間接照明やダウンライトを活用すると陰影が生まれ、奥行きのあるおしゃれなトイレになります。天井に埋め込むタイプの照明であれば、狭いトイレでもスッキリとした印象を与えることができるでしょう。
一方で、天井から吊り下げるタイプのペンダントライトはデザイン性が高く、おしゃれな空間にすることができます。照明を選ぶ際はトイレのコンセプトを考え、雰囲気と調和した照明を選びましょう。
上部に収納スペースを配置する
狭いトイレでは、収納が足りないというケースが多く見られます。そんなときは、デッドスペースになりやすい壁面や上部を活用して、収納スペースを確保するのがおすすめです。
また、トイレットペーパーや掃除用具が目に見えると乱雑な印象を与えてしまうため、扉付き収納にしまって見た目をスッキリさせるとよいでしょう。
大きな鏡を設置する
トイレ内に鏡を設置すると、視覚的に空間を広く見せることができます。配置する際は出入口を避け、できるだけ側面の壁に設置してください。
光が反射する位置に設置することで空間が明るくなり、よりトイレを広く感じることができるでしょう。ただし、大きすぎる鏡は反射が強すぎたり、鏡に映る自分の姿が気になったりして落ち着かない場合があります。
トイレに鏡を設置する場合は、備え付けのもの以外にインテリアとして後付けできるものを用意すると、圧迫感や反射の強さによる失敗を避けやすくなります。
狭いトイレのリフォームに最適な設備の選び方
限られたスペースをより快適な空間にするためには、トイレの設備選びも重要です。設備や内装の仕様を検討する際、気をつけるべきポイントを解説します。
コンパクトなトイレにする
日々使用するなかで「トイレが狭い」と感じている方は、タンクレストイレを検討しましょう。
タンクレストイレとは、便器後部に水を貯めておくタンクがないトイレのことです。タンクがないため奥行きが狭く、空間を広く使用できます。
限られた空間でも足を伸ばせる余裕が生まれるため、快適性が格段に向上するでしょう。ただし、タンクレストイレの場合、手洗い器を別に設置する必要がある点には注意が必要です。
タンクレストイレに抵抗がある方は、従来のトイレよりもコンパクトな設計になっているパブリックモデルの商品がおすすめです。
壁紙は機能性が高いものにする
住宅の壁紙は年々進化してきており、デザイン性だけでなく機能性も向上しています。たとえば、防臭効果や防カビ効果に優れた壁紙を選ぶことで、嫌なにおいや雑菌の繁殖を抑えることが可能です。
さらに、撥水や防水機能がある壁紙であれば水ハネにも対応しやすくなり、日々のお手入れが楽になるでしょう。
狭小型の手洗い器にする
狭いトイレでも「手洗い器を別に設置したい」と考える方もいるでしょう。結論として、コンパクトな手洗い器であれば狭いトイレでも設置することが可能です。
ただし、商品の選択肢が限られるため注意が必要です。TOTOやLIXILなど大手メーカーでは、狭いトイレ向けの商品が開発されているため、設置可能かどうか事前にサイズなどを調べておくとよいでしょう。
狭いスペースでも使い勝手を高めたい場合は、プロに相談しながらリフォームを検討するのがおすすめです。プラン次第で驚くほど快適な空間を実現できます。






