ビルトインガレージの費用の目安|高くなる要因や安く抑えるコツ

ビルトインガレージは、車1台分と2台分では必要な広さが異なり、シャッターや照明、EV充電設備などの仕様によっても費用が大きく変わります。予算を考える際は、基本的な費用相場と金額が高くなる要因を把握しておくことが大切です。
費用を抑えるポイントも含め、ビルトインガレージを計画する際に知っておきたい情報を解説します。
ビルトインガレージを設置する費用相場
ビルトインガレージを新築時に設ける場合、建物の構造やガレージの広さ、開口部の大きさ、シャッターや照明などの設備によって費用が変わります。坪単価だけで判断せず、希望する車種や使い方を決めたうえで見積もりを取ることが重要です。
下表は、ビルトインガレージを新築時に設置した場合にかかる費用の一例です。
| 内容 | 広さ・条件の目安 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 車1台分のビルトインガレージ | 約4~5坪 | 約200万~400万円 |
| 車2台分のビルトインガレージ | 約8~10坪 | 約400万~800万円 |
| 電動シャッター | 1台用・1開口 | 約30万~100万円 |
| EV充電用200Vコンセント | 1か所 | 約5万~10万円 |
上記の価格はあくまでも一般的な目安です。見積もりに含まれる設備や仕上げ、構造の考え方は施工会社ごとに異なるため、「坪単価はいくらか」だけではなく「その金額に何が含まれているか」を確認しましょう。
また、車1台分と2台分では必要な面積が変わります。車体の大きさだけでなく、ドアを開けたときの空間、人が通る幅なども考慮しましょう。大型SUVやミニバンへの買い替えを予定している場合や、自転車を置きたい場合は、その分広さに余裕が必要です。
なお、建物の構造や敷地条件によっては、既存住宅にビルトインガレージを後付けすることも可能です。ただし、壁の撤去や構造補強、電気設備などの工事を別途行うケースがあるため、新築時に設置した場合と比較して費用が高くなる場合があります。
ビルトインガレージの設置費用が高くなる要因

ビルトインガレージの費用は、駐車台数のほかに、床面積、シャッターなどの設備、開口部の広さ、内装の仕上げなどによって左右されます。予算を考える際は、まず「何台停めるのか」「駐車以外に何をしたいか」を整理し、費用が増えやすい部分を把握しておきましょう。
施工するガレージの床面積が広い
ガレージの床面積が広くなるほど、基礎や床、壁、天井などの施工範囲も広くなるため、費用は高くなります。
また、必要な面積は車の台数だけで決まるものではありません。たとえば、1台でもコンパクトな軽自動車と大型のミニバンでは、全長や横幅が異なるため、駐車に必要なスペースにも差が出ます。ガレージ内にタイヤや工具、アウトドア用品などを収納できるスペースを設ける場合も、ある程度の広さが必要になります。
ガレージの面積を削りすぎると、完成後に「ドアを開けにくい」「収納を置いたら通路が狭くなった」といった問題につながりかねません。設置費用を抑えることは重要ですが、将来の車の買い替えを見据えて、乗降や荷物の出し入れが問題なくできるかどうかも踏まえて計画しましょう。
照明やコンセントなどの設備を増やす
照明やコンセント、防犯カメラ、EV充電設備などを追加すると、本体代だけでなく配線・配管などの施工費がかかります。ガレージに車を駐車するだけであれば設備を絞れますが、洗車や車の整備、DIY、アウトドア用品の手入れなどにも利用する場合は、必要な設備が多くなります。
特にコンセントは、設置する数だけでなく使用する機器を確認しておくことが大切です。電動工具や高出力機器、EV充電設備などに使う場合、回路や電気容量まで含めた計画が必要になることがあります。
戸建てで200Vコンセントを設置する工事は、5万〜10万円程度といわれていますが、分電盤工事が必要な場合は1〜2万円の追加費用が発生します。新築時には「今すぐ必要な設備」と「将来使う可能性がある設備」を分けて考え、将来コンセントの増設がしやすいか施工会社に確認しておくとよいでしょう。
高性能なシャッターを設置する
シャッターは、ビルトインガレージの費用差が生じやすい設備の一つです。一般的に、手動式より電動式のほうが高く、開閉速度や静音性、防犯性、デザインなどにこだわるほど価格は高くなる傾向があります。
車から降りずにリモコンで操作できる電動シャッターは便利ですが、電源や配線の工事が必要です。素材ではスチール製が比較的安価で、アルミ製やステンレス製は高価になる傾向があります。
シャッターを設置する場合は、初期費用だけでなく、開閉音や速度、点検・修理の方法なども確認し、使い方や予算に合った製品を選びましょう。
開口部(車の出入口)を広くする
車の出入口部分を広くすると、設計や構造によっては建築費が増えることがあります。特に2台の車を並列で停め、中央に柱を設けずに広めの開口を確保する場合は、上部の荷重を支える梁や周囲の構造を適切に設計する必要があります。
ビルトインガレージは、建物全体の構造、階数、上階の間取り、開口幅などによって、必要な部材や設計が大きく変わります。安全性を十分に考慮して、耐震性と費用の両面から開口部の広さを検討することが重要です。
費用を抑えたい場合は、開口部を無理に広げるのではなく、柱や壁を挟んで開口を分けるプランも検討するとよいでしょう。使い勝手や外観とのバランスもあるため、構造計画を含めて施工会社へ相談して判断してください。
内装や仕上げのグレードを上げる
ガレージを趣味の空間として使う場合、床・壁・天井の仕上げにこだわるほど費用は高くなります。コンクリート床からタイル仕上げに変更する、壁や天井に化粧材を使う、造作収納や作業台を設けるといった仕様は追加費用につながります。
ビルトインガレージは、車を停める場所として最低限の仕様にしたり、趣味空間としてデザイン性を高めたりすることができます。こうした仕様の違いも、費用差が生じる要因の一つです。
見積もりを比較するときは総額だけを見るのではなく、床、壁、天井などの仕上げが同じグレードになっているかを確認しましょう。価格が安く見えても、必要な設備がオプション扱いとなっている場合は、最終的な金額が上がることがあります。
ビルトインガレージの費用を安く抑えるコツ
ビルトインガレージの費用を抑えるには、広さや設備を一律に削るのではなく、必要なものと優先度の低いものを分けることが重要です。駐車や乗り降りに必要な寸法まで削ると、完成後の使い勝手に影響します。
予算と希望条件を整理し、無理のないプランを検討するためのポイントを解説します。
ガレージを必要以上に広くしない
床面積が広くなるほど施工費も増えるため、必要以上にガレージを広くしないことが費用を抑えるポイントです。駐車する車のサイズに加え、乗り降りや荷物の出し入れ、収納に必要なスペースを整理し、広さを決めましょう。
ただし、費用を優先して面積を削りすぎるのは避ける必要があります。将来大きな車へ買い替える可能性がある場合は、想定する車のサイズも踏まえて計画することが大切です。収納スペースについても、ガレージ内に設けるのか、別の場所に確保するのかを決めておけば、必要以上に床面積を増やさずに済みます。
設計段階で車のサイズと置きたいものを書き出し、寸法を確認しながら調整しましょう。
シャッターを設置しない
シャッターを設けないオープンタイプのガレージにすることで、シャッター本体と取付工事の費用を削減できます。
ただし、シャッターを設置しない場合、ガレージ内に雨風や砂ぼこりが入りやすくなり、車両盗難やいたずらに対する対応が必要です。道路からガレージ内部が見えやすくなる場合は、防犯対策を検討したほうがよいでしょう。
「シャッターは高いから不要」と費用だけで決めるのではなく、地域の気候や前面道路との位置関係、防犯対策まで含めて判断することが重要です。シャッターが必要な場合でも、手動式や比較的シンプルなデザインを選ぶことで、費用を抑えられるケースがあります。
設備や仕様の優先順位を決める
ガレージ内の照明や収納、水栓、換気設備などすべてを高機能な仕様にすると、追加費用が積み重なって高額になります。そのため、「絶対に必要な設備」「できれば欲しい設備」「予算に余裕があれば追加したい設備」の順に要望を選別しましょう。
車の整備にも利用する場合、十分な明るさを確保する照明と必要なコンセントを優先し、造作収納や高価な床材は後回しにできます。一方、車の整備をすることが目的な場合は、コンセントや換気設備、手洗い場を優先するなど、使い方によって必要な設備は変わります。
電気自動車に乗り換える可能性がある方は、充電器本体をすぐ設置しなくても、配線ルートや電気容量について新築時に検討しておくとよいでしょう。完成後に大きな工事が必要にならないよう、将来追加する可能性がある設備も設計者に伝えておくことが重要です。
施工実績が豊富な会社に相談する
ビルトインガレージの費用を抑えながら希望を取り入れるには、施工実績が豊富なハウスメーカーや工務店などに相談することも大切です。
ビルトインガレージは住宅の一部として設計するため、駐車スペースだけでなく、建物全体の間取りや構造も踏まえて計画する必要があります。施工経験が豊富な会社であれば、希望する駐車台数や車種、予算に応じて、適切なプランを提案してもらえる可能性があります。
ただし、施工実績が豊富だからといって、必ず費用が安くなるとは限りません。相談する際は、「ビルトインガレージを含めた建築費はいくらか」「どこまでが標準仕様なのか」「シャッターやEV充電設備を追加するといくらか」などを担当者に確認しましょう。
ビルトインガレージは家の間取りや構造にも関係するため、家づくりの初期段階から希望を伝えることが大切です。必要な部分には費用をかけつつ、優先度の低い仕様を見直すなど、予算に合わせて家づくりを進めましょう。







