ガレージリフォームでできること|費用や注意点、後付けのポイントとは?

ガレージリフォームを行うことで、雨風から大切な車やバイクなどを守れるだけでなく、収納スペースを増やすことで限られた敷地を有効活用できます。
シャッターや床の劣化、換気の悪さを放置していると、せっかくのスペースを十分に活用できません。既存ガレージの補修からビルトインガレージの後付けまで、目的に合ったリフォームを選ぶことで、暮らしやすさと住まいの価値を高められます。
目次
ガレージリフォームで実施される主な工事
古くなったガレージをリフォームすることで、使い勝手を向上させることができます。まずは、ガレージでできる工事内容を確認して、具体的なリフォームの内容を把握しておきましょう。
シャッターや扉の交換
古くなったシャッターや扉のリフォームを行うと、ガレージの安全性や機能性の向上が期待できます。シャッターの交換も、防犯性や利便性の向上につながるため、よく行われるリフォームの一つです。
ガレージのドアやシャッターが劣化している場合、開閉不良や防犯性の低下を招くおそれがあります。ドア本体や鍵、ドアクローザーを交換することで、出入りしやすくなり、防犯性の向上が可能です。
勝手口のように住宅内部へつながるドアは、断熱性や気密性、防火性なども確認したうえで、使い方に合った製品を選びましょう。
床・土間コンクリートの補修
ガレージの床や土間は、経年劣化によりひび割れや色褪せ、剥がれなどが発生します。
素材によって異なりますが、一般的にコンクリートは10年~20年程度でメンテナンスや補修が必要です。床や土間のコンクリートの補修を行うことで、見た目の美しさだけでなく、耐久性の向上や汚れ防止のほか、安全性の確保が期待できます。
ちょっとしたひび割れ(クラック)であればDIYで補修することも可能ですが、補修範囲が広範囲にわたる場合は周囲と色の違いが目立つおそれがあるため、リフォーム業者へ依頼したほうが確実です。
なお、土間コンクリートを打ち直す場合は、養生期間も含めて3日~1週間程度はかかります。軽微なひび割れ補修であれば数日で完了しますが、工事内容や季節によっては、通常どおり駐車できるまでに1カ月近くかかる場合もあります。
カーポートや駐車場をガレージにする
カーポートや駐車場はいずれも車を置く場所ですが、ガレージとは構造が異なります。
カーポートは、柱と屋根で構成されている簡易的な車庫であるのに対して、ガレージは屋根や柱に加えて壁があります。シャッター付きガレージは雨風を防ぎやすく、閉めたときに外部からの視線を遮れるため、盗難や車上荒らしのリスク軽減にもつながります。
また、ガレージは駐車スペース以外にも趣味のスペースとして利用が可能です。
カーポートや駐車場をガレージに改装するリフォームは、独立型ガレージを設置する、またはカーポートをガレージ化するなどの方法があります。構造や設置状況によっては、建築確認申請や固定資産税の対象となる場合があるため、事前に確認することが重要です。
ビルトインガレージへ改装する
ビルトインガレージでは、住宅の1階部分を改装し、車やバイクを収めるスペースを設けるのが一般的です。住まいの一部として設けるため、雨風や視線を遮りやすくなるのが大きな利点です。
工事内容や規模によっては100万円以上かかるケースもあるため、まずはリフォーム会社に正確な見積もりを出してもらうとよいでしょう。ガレージの間取りによっては耐震性などに影響が出るため、大掛かりな工事になることがあります。
ビルトインガレージの施工実績があるリフォーム会社であれば、予算に合わせて最適な方法を提案してくれるでしょう。
照明やコンセント・水栓の設置
ガレージに照明器具を設置することで、作業効率の向上や安全の確保などのメリットがあります。
特に、夜間や天気の悪い日はガレージ内が暗くなるため、照明を設置しておくことでガレージへの出入りや車の入出庫がしやすくなるでしょう。
コンセントや水栓があると、ガレージ内の掃除や洗車、簡単なメンテナンスがしやすくなります。電気自動車の充電を行う場合は、200Vのコンセントや専用回路が必要になるため、電気工事の内容も含めて確認しましょう。
ガレージリフォームの費用の相場はいくら?

ガレージリフォームで実施される主な工事内容が理解できたところで、次に気になるのは費用についてではないでしょうか。下表では、先に紹介した工事内容の費用の目安をまとめました。
| 工事内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| シャッターや扉の交換 | 約15万円~50万円 |
| 床・土間コンクリートの補修 | 約10万円~40万円 |
| カーポートや駐車場をガレージに改装する | 約100万円~300万円以上 |
| ビルトインガレージへ改装する | 約150万円~350万円以上 |
| 照明やコンセント・水栓の設置 | 約2万円~20万円以上 |
ガレージリフォームにかかる費用は、広さや電動設備・補強工事の有無などによって大きく変動します。リフォーム費用を抑えたい場合は、以降で紹介する工事費用が高くなる原因や費用を抑えるポイントを理解しておくことが重要です。
工事の費用が高くなる主な要因
リフォーム費用が高くなる要因として、工事規模の大きさ、高品質な材料・設備の導入、構造上の補強の必要性、施工難易度の高さなどが挙げられます。
特に、高品質な材料を選択したり高性能な設備を導入したりすると、コストを大きく押し上げる要因になります。たとえば、電動式のシャッターは手動式に比べて製品代が高く、電気工事も必要です。施工の難易度も上がるため、リフォーム費用が高額になりやすい傾向があります。
住宅の一角をビルトインガレージへ改修するリフォームでは、解体工事、耐震補強、防水工事などが必要になるため、工事の規模が大きくなるほど費用が高くなります。このように、柱や壁の撤去・開口部の拡張など、建物の構造に関わる工事は、材料費や施工費が高くなる傾向です。
リフォームの費用を抑えるポイント
リフォーム費用を抑えたい場合は、シンプルなデザインにしたり、リフォームの目的と優先順位を決めたりするとよいでしょう。以下で詳しく解説します。
シンプルなデザインにする
ガレージは、デザインや構造が複雑になるほど部材や工数が増えるため、費用が高くなります。また、照明や収納設備など、オプションを追加するほどコストはかさみます。
高性能な設備は魅力的なので追加したくなりますが、必要以上に増やすと予算オーバーしてしまうため注意しましょう。無駄な装飾や過剰な設備を省き、機能を絞ることで、コストを抑えた実用性の高いガレージリフォームが実現します。
リフォームの目的と優先順位を決める
最初に、「ガレージをなぜリフォームするのか」という目的を明確にします。そのうえで、譲れない部分と後回しにしても問題ない部分を分けて考えましょう。
防犯性や安全性を重視するならシャッターや照明が必要ですし、収納力を重視する場合は、ラックや棚板の設置を検討するとよいでしょう。このように、目的や優先順位を決めることで、ガレージに必要な工事がわかるようになります。
ガレージリフォーム前に押さえておきたい注意点
ガレージリフォームでは、費用のほかにも事前に押さえておきたい注意点があります。これらを知らずにリフォームを行うと希望どおりのリフォームができない、予算オーバーになるなど、後悔につながる可能性もあるため注意しましょう。
固定資産税の対象になる場合がある
ガレージは構造や設置状況によっては「家屋」に該当するため、住宅と同様に固定資産税の対象となります。そのため、リフォームをする際は、固定資産税の対象となるか事前に確認しておくとよいでしょう。
そもそも固定資産税とは、毎年1月1日時点に不動産を所有している人に対してかかる税金です。土地だけでなく、一定の要件を満たす家屋も課税対象になるため、ガレージも設置状況によっては、家屋として扱われるケースがあるのです。
固定資産税が課税される条件は以下の3つです。
- 定着性(基礎工事などで地面に固定されている)
- 外気分断(屋根や壁があり、雨風がしのげる)
- 用途性(目的とする用途どおりに使用できる)
上記の条件をすべて満たす場合、不動産登記法における「建物」と判断されることがあります。建物と判断されると固定資産税の課税対象となるため、一つずつ見ていきましょう。
定着性
定着性とは、その土地から簡単には移動できない状態を指します。
たとえば、基礎工事を行っているガレージは、容易に移動できないため固定資産税の対象となります。注意が必要なのは、コンクリートなどで固定されている建物だけが対象ではない、という点です。
ガレージがブロックの上に置いてあるだけという状態でも、重量級のクレーンなどでしか移動ができないのであれば、「定着性がある」と判断されることがあります。
基礎工事を行わず、ボルトなどで固定していない簡易的な置き型ガレージは、「定着性なし」とみなされる可能性があります。自分で判断が難しい場合は、自治体の税務担当者や税理士、リフォーム会社などに相談してみましょう。
外気分断性
外気分断性とは、屋根や周囲を取り囲む壁、またはそれらに類するものによって、雨風や外気を遮断できる状態を指します。シャッター付きガレージのように周囲が囲われている場合は、「外気分断性がある」と判断されやすくなります。
柱と屋根のみのカーポートは、「外気分断性がない」と判断されるのが一般的です。ビニールハウスのように、使用している材質に耐久性がない場合も該当しないことがあります。
用途性
用途性は、住宅や店舗、車庫など目的に応じて使用できる建造物のことです。
ガレージを車やバイクの保管、整備、趣味の空間として利用している場合は、用途性があると判断されて、課税対象になります。また、現時点で車やバイクを所有していない場合でも、ガレージとして使える状態であれば対象となるでしょう。
ガレージを車庫ではなく物置として使用していた場合でも、倉庫など別の用途に該当するため、課税対象と判断されることがあります。
建築確認申請が必要になることがある
屋根や壁などが備わっていて、土地に定着しているガレージの場合、建築基準法上の「建築物」に該当するケースがあります。ただし、建築確認申請が必要かどうかは、増築や改築部分の床面積が10㎡を超える場合や、防火地域・準防火地域に該当するかなどで判断されます。
「建築物に該当すること」と「建築確認申請が必要なこと」は、別の判断が必要であることを覚えておきましょう。
建築確認申請は自分で行うこともできますが、配置図や平面図、立面図などの書類や専門知識が求められるため、施工会社へ相談して依頼するほうが確実です。
参考:国土交通省「住宅:建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直し」
湿気がこもらないよう換気設備を導入する
窓がないガレージは、換気が不十分なため湿気がこもりやすくなります。特にシャッターを閉め切ったままにしておくと、湿気がこもりカビの発生を助長するでしょう。
湿気がたまると、金属類にサビが生じたり、不快なニオイが発生したりする原因になります。また、壁やシャッターで囲まれたガレージでは、車の排気ガスがこもらないようにすることが大切です。
換気が不十分な状態でエンジンをかけると、一酸化炭素などの有害物質が滞留し、体調不良や事故につながるおそれがあります。換気扇の設置や給気口・排気口の配置は、ガレージの形状や使い方に合わせて整えましょう。
ガレージを後付けするときのポイント
ガレージは後付けすることも可能です。基本的には、「独立したガレージを設置する方法」と「住宅の一部を改装してビルトインガレージにする方法」があります。
独立したガレージを設置する場合は、総額で100万円以上かかることもあるため、予算に合わせて検討しましょう。
後付けできない家もある
住宅の1階を改装してビルトインガレージにする場合、大規模なリフォームが必要です。場合によっては建物の補強工事や1階部分の間取り変更が必要になるため、費用は高額になります。
また、ビルトインガレージは、すべての住宅で後付けできるわけではありません。既存の構造上、必要な柱や耐力壁を撤去できない場合や敷地が狭い場合、地盤の状態に不安がある場合は、希望どおりにリフォームできないケースもあります。
特に木造住宅は、柱や壁で建物を支えているため、開口部の大きなガレージを設置すると耐震強度が不足するおそれがあります。後付けできるかの判断は、専門的な知識と経験が必要なため、ビルトインガレージの施工実績があるリフォーム会社へ相談することをおすすめします。
騒音対策を考えておく
ビルトインガレージを後付けする場合は、騒音対策について考えておくことも重要です。1階部分にガレージがあると、エンジン音やシャッター音が屋内や近隣の家に伝わることがあります。
夜中にエンジン音やシャッター音が響くと、家族や近隣に住む方の睡眠の妨げになるケースもあるため、音への配慮が大切です。
建ぺい率と容積率の上限に注意する
ビルトインガレージを後付けする場合は、建ぺい率だけでなく容積率も確認が必要です。建ぺい率は敷地面積に対する建築面積の割合、容積率は敷地面積に対する延べ床面積の割合を指します。
たとえば、敷地面積150㎡、建ぺい率50%だった場合、建築面積の上限は75㎡です。既存の建物を拡張してガレージを設ける場合は、建築面積や延べ床面積が増える可能性があるため、上限を超えないか事前に確認しましょう。
ガレージを設置する場合でも、建ぺい率と容積率の上限内に収める必要があるため、市役所の都市計画課や施工会社などに相談することをおすすめします。
ガレージのリフォーム施工事例を紹介
実際の施工事例を参考にすると、完成後のガレージの使い方や必要な設備をイメージしやすくなります。ビルトインガレージを設置した住まいや、ガレージと相性のよいコンセプトハウスをとおして、デザインや動線の工夫について見ていきましょう。
限られた敷地でも圧迫感がないビルトインガレージ
東京都江東区に建てられた、ビルトインガレージ付きの住宅です。16.5坪の限られた敷地を活かし、1階部分に車とバイクを収められるビルトインガレージを設けています。
ブラックとホワイトを基調にした、落ち着いた雰囲気の外観にガレージを組み込むことで、全体的にスタイリッシュな印象に仕上げている点が特徴です。
ガレージ内には収納スペースも設けられており、バッグやライディングジャケット、簡単な作業道具を置けるようにしています。また、ガレージの奥に玄関へ続くドアがあるため、シャッターを閉めているときでもビルトインガレージへ出入りできる動線となっています。
広い敷地を活かした回遊性の高いビルトインガレージ
さいたま市浦和区にあるこちらの住宅では、50坪超の敷地を活かして、LDK・中庭・ビルトインガレージを行き来できるようにしました。車から住まいへ荷物の搬入がしやすく、買い物帰りや雨の日の移動もスムーズに行える回遊性が魅力です。
外観はモダンな外壁にレンガ造りの外構を組み合わせ、ガレージも住まい全体のデザインになじむよう計画されています。車を雨風から守るだけでなく、生活動線や外観デザインにもこだわり、住みやすさを考えた設計がポイントです。
古き良きニューヨークを感じるコンセプトハウス
古き良きニューヨークの建築を思わせる、インダストリアルな雰囲気のコンセプトハウスです。レンガ調の外観やアイアン素材を取り入れた内装により、住まい全体に統一感のある印象を与えています。
ガレージの施工事例ではありませんが、レンガとアイアン素材の組み合わせは、ビルトインガレージや趣味を楽しむスペースと相性のよいデザインです。住まいの一部に車やバイクを収める空間を設ける場合も、外観や内装のテイストをそろえることで、より一体感のある住まいに仕上げやすくなるでしょう。







