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住まいのノウハウ

「私道負担ありの土地はやめとけ」と言われる理由。リスクやメリットも解説

「私道負担ありの土地はやめとけ」と言われる理由。リスクやメリットも解説

家を建てる土地を探していると、「私道負担あり」とされているものを見かけます。安いこともあって、購入を検討するものの「私道負担ありの土地はやめとけ」と言う人もいます。

どうして、私道負担のある土地は避けたほうがよいのでしょうか。

私道負担のある土地のデメリット、そして隠れたメリットを解説します。

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私道負担をわかりやすく解説

国や自治体が所有、管理している道路を公道と呼ぶのに対して、個人や団体、民間企業が所有、管理している道路を私道と呼びます。

私道が土地の一部に含まれていることを、私道負担といいます。私道負担がある土地は、不動産情報に記載される面積表記が異なります。

たとえば、公道にのみ接道している土地であれば「200㎡」という表記になりますが、私道負担のある土地は、「200㎡(内25㎡は私道)」「200㎡、私道負担25㎡別途有り」など私道負担部分の面積を表示する必要があります。

また、私道は複数で負担することもあり、「私道負担共有60㎡×1/4」という記載の場合は、私道を4人で負担することを意味しています。

私道は固定資産税などの費用を負担したり、管理をしたりする必要があるため注意が必要です。それでは、私道負担を理解するためにもう少し掘り下げてみましょう。

そもそも私道があるのはなぜ?

建築基準法では接道義務の条件を満たさないと、住宅を建てられません。私道は接道義務を満たすために必要になります。

接道義務は「建物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない」という決まりのことです。火災や急病人発生時に、緊急車両の通行や避難経路を確保するため、こういった条件が義務づけられています。

セットバックとの違い

「セットバック」という言葉もよく耳にしますが、私道負担とは意味合いが異なります。セットバックは接道義務を果たすために、前面道路の幅員を拡げることを目的に行われます。道路と土地の境界線から一定の間隔を空けることで、幅4m以上の道路に接する条件を満たすのです。

セットバックした部分は道路とみなされますが、草刈りなどの管理が必要になります。しかし、セットバック部分を自治体に寄付することで管理を免れることもあります。

私道負担部分の固定資産税はどうなる?

私道には固定資産税がかかります。単独で所有している場合はすべてを負担し、複数人で所有している場合は所有する持分割合分を負担します。セットバックの部分も同様に固定資産税がかかります。

また、ほかの土地と同様に、以下の税金も負担対象となります。

  • 不動産取得税
  • 都市計画税
  • 相続税

ただし、私道であっても自治体に非課税申請して「公衆用道路」と認定されれば、固定資産税、都市計画税、不動産取得税は非課税対象になります。公衆用道路とは、一般の交通の用に供する道路のことです。

セットバックした土地が公衆用道路になっているかは、登記簿謄本で確認できます。セットバックした土地を購入するときは、必ず確認しておきましょう。

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「私道負担あり」にはどんなリスクがある?

私道負担のある土地を所有する場合は、注意すべきリスクがあります。購入後に後悔することがないよう、私道負担ありのリスクを理解しておきましょう。

私道負担のある土地のリスクは、以下の通りです。

整備費用がかかる

私道の舗装が損傷したり、水道管が破裂したりといったトラブルが生じた場合、所有者の負担で修繕、整備する必要があります。水道管の破裂などの大きな修繕には、数十万円かかることも珍しくありません。

また、複数人で私道を所有する場合は、修繕、整備に所有者全員の同意が必要です。私道の修繕、整備にかかる費用は、持分割合に応じて負担することが一般的ですが、話し合いで負担割合を決めることもあります。

税金がかかる場合がある

私道には固定資産税などの税金がかかります。前面道路を拡げるためにセットバックした土地であっても固定資産税の支払いが必要です。しかし、私道を公衆用道路と認められたら非課税になります。

セットバックなど不特定多数の人が利用する私道であれば公共性が高いため、公衆用道路と認められやすいでしょう。しかし、ハウスメーカーなどが開発した分譲宅地などは、基本的に住民しか通らないため認められないでしょう。

複数で所有する場合は注意が必要

複数人で共有している私道は、修繕などの工事を行うために所有者全員の同意が必要になります。たとえば、自宅の水道を修繕するために私道の工事が必要になっても、所有者全員の許可を得なくてはなりません。

誰かひとりでも拒否すれば工事ができないため、複数で私道を共有している土地を購入するときに掘削承諾書を交わしておくことをおすすめします。

自由に使える土地が減る

私道はあくまで道路のため、私道負担部分に塀やフェンスを設置できません。駐車場としての使用も禁止されているため、自由に使える土地が減ることになります。

また、セットバックをする場合にも、注意が必要です。建築対象面積はセットバック後の面積のため、所有している土地の面積よりも小さくなります。

ほかの所有者とトラブルになると私道が使いにくくなる

私道を複数人で共有していると、トラブルが起こることがあります。所有者同士のトラブルは、私道の通行や使用に制限や条件をつけられることがあります。

トラブルの原因は、一時的に私道に車を停めていたなど些細なことが多いです。私道が使いにくくなると生活に支障が出るため、あらかじめ通行承諾書を交わしておきましょう。

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実は私道負担にもメリットがある

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私道負担のある土地には注意すべきリスクがありますが、一方で私道ならではのメリットがあります。私道負担ありの土地のメリットには、以下の5つがあります。

交通量が少ない

私道はプライベートな道路のため、基本的に住民しか自由に使えません。誰もが自由に使える公道と違い、人通りや車の通行が少ないため、私道負担ありの土地は比較的静かな環境といえるでしょう。

また、車の通行が少ないと車庫入れもゆっくりできるため、車の運転が苦手な人も安心です。

相場より土地の価格が安くなる

私道負担ありの土地は公道に面した土地と比べると、相場より価格が安いことが多いです。私道負担があるため一般の土地より制限が多くなり、近隣にある同等の広さの土地と比べると安く購入できます。

所有権を行使できる

私道を通行するには、原則として所有者の許可が必要となります。通行料を設定できるほか、土地が奥まった場所にあり、自分たち以外に私道を利用する人がいなければ、通行を制限することも可能です。

私道に他者の出入りや車の通行を許可しなければ、静かな環境をつくられるでしょう。

好みに合わせた道路にできる

私道負担部分は所有者のものなので、権利の範囲内で道路の整備も自由に行えます。たとえば、道路のデザインやコンクリートの色を、自分の好みにあわせて変更することが可能です。

私道部分を含めた売却益が得られる

私道負担部分は所有者に権利があるため、自由に売買できます。私道持分を持たない私道利用者が、持分を追加で購入するケースが多いでしょう。私道持分を持つことで気兼ねなく私道を利用できます。

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