3階建て住宅でも老後の生活は大丈夫?後悔しない長く住める家の設計
3階建て住宅は人気エリアでも、予算内で購入できることから人気があります。コンパクトでも快適に暮らせる間取りもあるので、マイホームの選択肢になっている人も多いでしょう。気になるのは3階建てだと上下の移動が多いため、老後の生活に不安を感じることです。老後に公開しない3階建て住宅の設計を考えてみましょう。
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目次
3階建て住宅の老後生活の注意点
老後に後悔せず安心して3階建て住宅に住み続けるには、老後生活で起こり得る注意点を把握しておくことが大切です。老後生活では、どのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
階段の上り下りが大変になる
3階建て住宅は、階段の上り下りが増えます。若いときは苦もなく上れていた階段も、年を取ると足腰が弱るため負担となるでしょう。また、階段から足を踏み外して転落するリスクも高まります。間取りによっては、洗濯物を持って上の階に上がる、物を持って階段の上り下りをする必要があります。そのため、なるべく家事の負担にならないよう、家事動線を意識した設計が必要不可欠です。
車いすの通るスペースがない
3階建て住宅は、ワンフロアごとのスペースが限られます。そのため、車いすが通れる間口や、通路を確保できないおそれがあります。老後の生活ではできるだけ段差を減らして移動しやすい間取りが理想ですが、一般的な3階建て住宅では難しいケースもあるでしょう。
ヒートショックの危険がある
暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降するという性質があります。そのため、縦に空間が広がる3階建て住宅では、室内の温度差が生じやすくなるため注意が必要です。たとえば、冬場に2階のリビングから、1階の浴室に行くとします。暖かいリビングから、急に寒い浴室に行くことで血管は収縮し、さらに湯船につかることで血管は急激に広がります。このような血圧の変化は、心臓に大きな負担となり、心筋梗塞や脳卒中につながるおそれがあります。したがって、室内に温度差が出やすい3階建て住宅では、ヒートショック対策が必要です。
3階建て住宅で快適な老後生活を送れる設計
3階建て住宅では注意の必要な点があるものの、注意点を考慮して設計を行えば快適に生活できます。老後を快適に過ごすには、どのような点に考慮して設計すればよいのでしょうか。快適な老後生活を送るための、具体的なポイントをお伝えします。
1階と2階で生活できる間取りにする
日常生活が1階と2階で完結できるように設計しておけば、老後は一般的な2階建て住宅と同じように生活できます。たとえば、1階に寝室と水回り、2階にリビングとベランダ、3階に子ども部屋を配置する間取りが便利です。子どもが自立したあとは、3階を収納として活用すれば、日常的な階段移動を減らせます。
階段の段差をゆるやかにする
急な階段は上り下りが大変なだけでなく、落下の危険性も高まります。そのため、なるべく幅を広めにして、段差をゆるやかにするとよいでしょう。また、スキップフロアにして階段の段数を少なくする方法もおすすめです。さらに、老後は視力も低下します。階段はなるべく明るく、夜は足元灯を利用して転倒対策を行いましょう。
手すりを最初から設置する
手すりはあとづけでリフォームしたり、自分で取りつけたりすることも可能です。しかし、素材によってあとづけできない場合や、想像以上に空間が狭くなってしまうことがあります。そのため、階段、浴室、トイレ、玄関には、新築時に手すりを設置するのがおすすめです。
手すりはバリアフリーのイメージが強いですが、若い人でも意外と使用頻度が高いものです。靴を履くときや、階段の上り下り、浴室の転倒対策など、さまざまな場面で役立つでしょう。
ホームエレベーターを設置する
老後に一番心配される「階段の上り下り問題」を解決してくれるのが、ホームエレベーターです。ホームエレベーターがあれば、老後の3階建て住宅でも快適に生活できるでしょう。また、車いすでの生活も楽になります。
ただし、間取りが制限されたり、建築コストが高くなったりする傾向があります。ホームエレベーターは3階建て住宅だと、400万~500万円ほどの費用が必要です。また、電気代やメンテナンス費用など、毎年ランニングコストがかかります。そのため、施工会社とよく相談したうえで導入を検討しましょう。
玄関をスロープにする
家の外に段差があると、外出するたびに誰かのサポートが必要になるかもしれません。また、高齢者は家に引きこもりがちになるため、不安要素があると外出が億劫になります。一方、玄関をスロープにしておけば、老後に車いすが必要になっても気軽に外出できます。子どもが孫を連れてくるときも、スロープがあればベビーカーも通行しやすく便利です。
高気密・高断熱の家にする
3階建て住宅は室内の温度差が生じやすいため、ヒートショックの危険性があります。老後を安心安全に生活するのであれば、住宅性能を意識した家づくりがポイントになるでしょう。
高気密・高断熱の家は、家の気密性を高めて冷気や暖気を逃がしにくくします。また、断熱性を高めることで、冷気や暖気が室内に伝わるのを防ぎます。これによって冷暖房が効率よく使用できるため、光熱費の削減にもつながります。これは老後だけでなく、若者世帯にとってもメリットとなるでしょう。
全館空調を採用する
全館空調は家中のどこにいても同じ温度、湿度を保てる空調設備です。これによって季節を問わず、一年中快適な空間が実現します。全館空調を導入するには初期コストがかかりますが、3階建て住宅で全部屋エアコンを導入すれば、それなりの費用がかかります。全館空調ならエアコン1台で管理できるため、メンテナンスや掃除の手間を減らせるでしょう。
万全な防犯対策をする
戸建住宅は侵入被害に遭いやすいため、防犯対策をしっかりと行いましょう。特に老後のひとり暮らしや夫婦ふたりだけの生活になると、部屋の管理が行き届かなくなります。そのため、警備システムを導入したり、防犯カメラを設置したり、安全に生活できるような対策が必要です。
トイレやお風呂など、人目につきにくい場所に小窓をつくらないのもおすすめです。ドアや窓などの侵入経路が多いと、空き巣に狙われやすくなります。そのため、設計時は防犯を考慮しながら、窓の位置や数を考えましょう。
3階建て住宅のメリット・デメリット
どんな家にもメリット・デメリットはあります。大切なのは、デメリットにしっかり目を向けて、対策を講じることです。3階建て住宅のメリットとデメリットを解説します。内容をしっかりと把握して、老後も快適なマイホームを目指しましょう。
3階建てのメリット
まずは3階建て住宅のメリットを見ていきましょう。
- 人気エリアでも購入しやすい
- 見晴らしがよい
- 採光・通風が確保しやすい
- プライバシーが守られる
- デザイン性の高い家になる
広い土地が確保しにくい人気エリアや都心部では、3階建て住宅が主流になりつつあります。土地の面積が小さい分購入しやすく、予算内で人気エリアにマイホームが持てるのは大きな魅力でしょう。
また、縦の空間が広がる3階建て住宅は見晴らしがよいため、屋上を活用した屋上リビングや屋上庭園もおすすめです。周囲を建物で囲まれている場合は、中庭をつくればプライバシーも守られ、採光・通風も確保できます。オリジナリティあふれる空間づくりに適しているため、間取りのバリエーションも広がり、デザイン性の高い家を実現できるでしょう。
3階建てのデメリット
次は3階建て住宅のデメリットとその対策を解説します。
- 階段の上り下りが負担になる
- 1階が暗くなりやすい
- 家事・生活動線の計画が難しい
- 地震の影響を受けやすい
3階建て住宅のデメリットとして思い浮かぶのは、階段の移動が負担になることでしょう。加齢により足腰が弱くなったときだけでなく、ケガや病気をしているときも暮らしにくくなると考えられます。1日に何度も移動することになれば、健康な人でも負担に感じるでしょう。
そして、1階部分は採光が届きにくいため、暗くなりがちです。ワンフロアごとの面積が限られる3階建て住宅では、家事・生活動線を考えるのが難しいのもデメリットといえます。しかし、間取りの工夫次第で解決できることも多いため、しっかりと計画を行い、3階建て住宅を得意とする施工会社に依頼しましょう。建物の間取りや構造によっては、地震や強風の影響を受けやすくなります。そのため、耐震性や構造にこだわってハウスメーカーを選ぶのも得策です。
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