30坪の戸建て向け!家事動線の良い間取りのアイデアと注意点
注文住宅を建てるときに、多くの人を悩ますのが「間取り決め」です。内装や設備も重要ですが、見た目にこだわりすぎると住み始めてから使いにくさを感じてしまうことがあります。そのため、間取りを考えるときは「家事動線」を意識することが大切です。ここからは、これから家づくりをする人に向けて、家事動線の基本について解説します。
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目次
家事動線とは?基本からわかりやすく解説
家事動線とは料理、洗濯、掃除など家事をするときに、人が動く経路を線であらわしたものです。つまり、家事をするうえでの移動距離を指します。家事動線を基本から解説しますので、間取り決めの参考にしてください。
家事動線を意識することが重要
家事動線がコンパクトにまとまっていれば、移動距離が短くなって家事がしやすくなります。一方、家事動線を意識せず間取りを決めると無駄な動きや移動が増え、作業効率は悪くなるでしょう。
たとえば、洗濯機は1階で、洗濯物を干す場所が2階にある間取りでは、重たい洗濯物を持って毎日2階まで移動しなければなりません。しかし、洗濯機のある洗面所とバルコニー、さらにクローゼットが同じ階にあれば移動距離が短くなり、洗濯物の流れがスムーズになります。このように、家事動線は生活のしやすさに大きく関わるため、家事動線を意識した家づくりが重要なのです。
4種類の家事動線のポイント
家事動線は、「キッチン動線」「洗濯動線」「掃除動線」「買い物・ゴミ出し動線」の4種類に大きく分けられます。
目的 | ポイント・注意点 | |
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キッチン動線 |
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洗濯動線 |
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掃除動線 |
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買い物・ゴミ出し動線 |
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キッチン動線は、キッチン内での作業動線を指します。適切なキッチン動線を確保することで、料理の効率化アップや家事の負担を軽減できます。
洗濯動線は、文字通り洗濯するときの動線です。洗濯では①洗う、②バルコニーへ運ぶ、③干す、④取り込む、⑤たたむ、⑥各部屋へ運ぶ、というように工程が多く、家事のなかでも動線が長くなりがちです。したがって、いかに移動距離を短くするかがポイントになります。
掃除動線は家具や家電の配置によって変わるため、間取りの打ち合わせ時に触れる機会は少ないかもしれません。しかし、頻繁に行う家事のため、掃除動線を考えて収納やコンセントの位置を決めましょう。
買い物・ゴミ出し動線ですが、ゴミ出し動線を考えておくのと考えないとでは家事ストレスの度合いが変わってきます。ゴミ出しの負担を和らげられるように、最短ルートを確保しましょう。
家事動線を妨げる原因に注意
家事動線上に、不要な家具やストック品、洗濯物などの障害物があると、移動や作業の妨げになります。家事効率を下げるだけでなく、掃除がしにくい、片づけの手間が増えるなどのデメリットにもなるため注意しましょう。
また、収納も大切な動線の一部ですが、むやみやたらに収納を増やすと、家事動線の悪化原因になることもあります。無駄な移動が増える、どこに何を収納したかわからないなどのデメリットがあるため、収納の位置には注意が必要です。
30坪の戸建て住宅で考える、家事動線の良い間取り
敷地面積30坪の戸建て住宅におすすめの間取りのポイントを解説します。ポイントは次の4つです。
- 回遊動線を意識する
- 水回りをまとめて配置する
- 家事を行う場所に合った収納を設置する
- 上下移動をなるべく減らす
項目ごとに詳しく見ていきましょう。
回遊動線を意識する
回遊動線は、家のなかに行き止まりがなく、ぐるりと移動ができる間取りのことを指します。家事の負担が減る、家族が多くても渋滞しない、室内が開放的になるなど多くのメリットがあるため、住む人の日常生活をスムーズにしてくれるでしょう。
ただし、敷地面積30坪で回遊動線を採用する場合、収納が足りなくなる、居住スペースが削られてしまうなどのデメリットがあります。したがって、回遊動線の間取りを採用する場合は、設計士と相談をしながらしっかり計画を立てることをおすすめします。
水回りをまとめて配置する
水回りは家事効率を大きく左右するため、なるべくまとめて配置しましょう。コンパクトな水回りは、洗濯をしている間に料理をしたり、食材を煮込んでいる間にお風呂掃除をしたりできます。水回りの移動距離が短くなれば、家事効率がアップするだけでなく、掃除がしやすくなるというメリットもあります。
家事を行う場所に合った収納を設置する
収納の位置を決めるときは、家事をしながら必要なものが取り出せるか、収納のなかが管理しやすいかなどに考慮して設置しましょう。たとえば、パントリーとキッチンを近くに配置することで、食材管理がしやすくなり、必要な食材や調味料がパッと取り出せるため作業効率がアップします。
また、洗濯機・乾燥機の近くに大きめのクローゼット(ウォークインクローゼットやファミリークローゼット)を設ければ、洗濯物を洗う→たたむ→クローゼットにしまうという洗濯動線がスムーズになります。このように、家事の流れをイメージしながら収納を配置することで、適材適所の収納を設置できます。
上下移動をなるべく減らす
一戸建て住宅は、日当たりと風通しの良さを考慮して、2階のバルコニーに洗濯物を干すのが一般的です。しかし、この間取りは動線が長くなりがちなうえに、洗濯をするたびに階段を上り下りしなくてはいけません。
そこでおすすめなのが、洗面所の近くにサンルームを設ける、バルコニーを1階にするという間取りです。また、家事の効率化を図るには、必要に応じて最新設備を導入するのもひとつの手段です。洗濯乾燥機を導入すれば、階段の上下移動を減らし、日常的な家事負担を軽減するだけでなく、足腰が弱ってくる将来に備えることもできます。
家事動線で間取りを考えるときの注意点
家事動線を意識して家づくりをするときは、次のポイントに注意しましょう。
- 家事動線を優先しすぎない
- 朝の生活動線と家事動線に注意
- コンセントの位置や数に注意する
それぞれについて、見ていきましょう。
家事動線を優先しすぎない
家事動線が良い家にはメリットが多いものの、家事動線を優先しすぎるとデメリットになるケースもあります。たとえば、家事動線の良い家は設計や工事に手間がかかるため、一般的な住宅に比べて建築コストが高くなります。「建築費が大幅に予算オーバーしてしまった」というケースも少なくないため注意しましょう。
また、回遊動線を意識すると壁やドアなどの仕切りが少なくなり、キッチンのニオイや音が広がりやすくなります。そのため、家事動線を考えるときは、「何を優先するか」考えましょう。各家庭で優先順位は異なるため、家族でしっかり話し合い、具体的な優先順位を考えておくことをおすすめします。
朝の生活動線と家事動線に注意
朝は家族それぞれが仕事や学校に行く準備で忙しいため、生活動線と家事動線がぶつかりやすくなります。特に洗面室は広さが限られているため、混雑すればお互いの作業効率が下がるだけでなく、ストレスを感じてしまうでしょう。
こういった問題を避けるには、「分散させる」「複数で使える」がポイントになります。広めの洗面台を採用したり、回遊動線を意識したり、ライフスタイルや家族構成に合わせて間取りを工夫しましょう。
コンセントの位置や数に注意する
忘れてしまいがちですが、意外と重要なのがコンセントの位置と数です。コンセントの数は多ければ良いというわけではありません。どこでどのような家電を使うのかを考え、適材適所に配置する必要があります。
また、事前に配線計画を立てておかなければ、キッチンや洗面などの使い勝手が悪くなってしまうおそれがあるため注意しましょう。
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