ローコスト住宅だからこだわりたい！オプション設備を選ぶポイント

ローコスト住宅とは名前のとおり、コストを抑えて建てた住宅のことです。画一的なデザイン、仕様などのイメージのあるローコスト住宅ですが、オプション設備にこだわれば、自分らしい快適な暮らしを実現できます。ローコスト住宅だからこそ注目したい、オプション設備選びのポイントを紹介します。

ローコスト住宅とは

近年、光熱費や食料品など、あらゆるものの価格が高騰しています。そのため、「費用を抑えて家を建てたい」と考える人が増え、マイホームの新たな選択肢として「ローコスト住宅」が注目されています。

ローコスト住宅とは、簡単にいうと1,000万円台から建築できるコストパフォーマンスに優れた住宅のことです。一般的な注文住宅は、坪単価60～80万円程度が相場なのに対して、ローコスト住宅は坪単価30～40万円で建築可能です。つまり、通常の半額程度で家を建てられるのです。この価格差は多くの人にとって大きなメリットといえるでしょう。

ただし、ローコスト住宅にも注意すべき点があります。メリットとデメリットをバランスよく理解することで、後悔の少ない家づくりを実現できます。

快適な家づくりは設備の選択がポイント

ローコスト住宅で重要なのは、「適切な住宅設備を導入すること」です。なるべく安く家を建てたいと思うと、「住宅設備は標準設備だけでいい」と考える人もいるでしょう。しかし、住宅設備は暮らしの快適性に大きく影響するため、慎重な判断が必要です。

ここでは、家づくりの基本となる「標準設備」と「オプション設備」の違いやオプション設備を選ぶときの注意点などを解説します。

標準設備だけだともの足りない

標準設備とは、標準価格に含まれている「追加料金のかからない設備」のことです。先にお伝えしたように、設備は暮らしの快適性に大きく関わるため、何を選ぶかは重要なポイントになります。どのような設備が導入されるかはハウスメーカーごとに異なりますが、一般的には以下のようなものが含まれます。

• 住宅構造、工法
• 建材、床材、建具
• キッチン、お風呂、トイレ
• 外壁、屋根

ローコスト住宅はコストを抑えることに注力しているため、設備が必要最低限でもの足りなさを感じることがあります。そのため、ハウスメーカー選びでは、標準設備をしっかりチェックすることが大切です。

また、必ずしも「標準設備が安い」とは限りません。あくまでハウスメーカーが定めた標準であるため、場合によっては他社より高くなるケースがあることを覚えておきましょう。

オプション設備でグレードアップ

オプション設備は、標準設備には含まれないものを追加したり、設備をグレードアップしたりするためのものです。最新設備や魅力的なデザインのものも多いため、前向きに検討している人も多いでしょう。また、オプション設備を導入することで理想のマイホームが実現しやすくなります。機能性や快適性も向上するため、家事の時短や光熱費の削減にもつながるでしょう。

なお、ローコスト住宅の場合、あたりまえと思っていた建材がオプションになることがあります。たとえば、「網戸がついていない」「2階のトイレが標準設備に含まれていなかった」というのもよくあるケースです。生活に欠かせない設備で、オプションになるものは事前に確認しておきましょう。

オプション設備はよく検討する

オプション設備には魅力的なものが多いものの、基本的に追加料金が発生します。あれもこれもと追加していると、予算オーバーになってしまうため注意が必要です。オプション設備を選ぶときは、優先順位をつけ、自分たちのライフスタイルに合っているか、本当に必要かなどを冷静に考えて判断しましょう。

こだわり別・おすすめのオプション設備

ここでは、評判がよいおすすめのオプション設備を「こだわり別」で紹介します。

• 家事のしやすさ重視
• 老後の暮らしやすさ重視
• 家族のコミュニケーションのとりやすさ重視

それでは、さっそく見ていきましょう。

家事のしやすさ重視

家事のしやすさにこだわるなら、以下のオプション設備がおすすめです。

• ビルトイン型食洗機
• パントリー
• 浴室暖房乾燥機
• ファミリークローゼット

仕事や育児をしながら家事を完璧にこなすのは、なかなか難しいもの。そのような忙しい人におすすめなのが、家事の負担を軽減できる高機能な設備です。たとえば、ビルトイン食洗機を導入すれば、食器洗いの手間が軽減されます。空いた時間は子どもと遊んだり、明日の準備をしたりができます。

また、キッチン横にパントリーを設置すれば、食材の管理がしやすくなるため買い物頻度を減らし、節約にもつながります。浴室暖房乾燥機なら雨の日の洗濯も安心。浴室近くにファミリークローゼットを設けることで、洗濯動線が短くなり大幅な時短が期待できるでしょう。

老後の暮らしやすさ重視

老後の暮らしやすさを重視する人は、以下のオプション設備がおすすめです。

• 滑りにくい床材と手すりの採用
• 2階にもトイレを設置
• オール電化にする

高齢になっても住みやすい家にするには、バリアフリーを意識することが大切です。たとえば、段差をなくす、階段に手すりを設置する、滑りにくい床材を採用することで転倒防止になります。

また、トイレは1階と2階の両方に設けるのがおすすめです。高齢になると、夜中に何度もトイレに行ったり、体調不良で横になったりすることが増えるため、トイレのたびに1階まで降りるのは大変です。階段から転落する危険性もあるため、2階にトイレがあると安心です。

さらに、高齢者は注意力や判断力が低下し、火の消し忘れやガス漏れによる火災のリスクが高くなります。これらを防ぐためにも、オール電化住宅にすることも検討しましょう。

家族のコミュニケーションのとりやすさ重視

家族のコミュニケーションのとりやすさを重視する人は、以下のオプション設備がおすすめです。

• 開放感のあるリビング（吹き抜け・大型窓など）
• リビングイン階段
• オープンキッチン

家族のコミュニケーションを深めるには、リビングの居心地をよくしたり、リビングに集まりやすい動線にしたりすることをおすすめします。たとえば、開放感のある吹き抜けやリビングイン階段は、部屋を広く見せるだけでなく、1階と2階につながりを持たせられます。

また、人気のオープンキッチンなら、家族の顔を見ながら家事をすることができます。子どもの勉強を見ながら、遊んでいるのを見守りながらといった「ながら家事」で時間に余裕が生まれるでしょう。

コスパがいい！おすすめのオプション設備

注文住宅には多くのオプション設備があります。ここでは、そのなかでも10万円以下のコストパフォーマンスに優れたオプション設備を紹介します。

• 人感センサーライト
• 宅配ボックス
• スマートキー
• 深型食洗機
• 室内物干し

それぞれのおすすめポイントを紹介しますので、家づくりの参考にしてください。

人感センサーライト

センサーライトは、人の動きに反応して自動で電気がつく照明です。暗い場所でもスイッチを探すことなく自動でライトがつくため、重たいものを持っているときや両手が塞がっているときに便利です。また、防犯にも役立ちます。費用は2～3万円で設置できるため、玄関、廊下、階段などに設置するとよいでしょう。

宅配ボックス

インターネットショッピングを頻繁に利用する人は、宅配ボックスを設置しておくと便利です。特に共働きで日中家にいないという場合は、宅配ボックスに荷物を入れてもらえば再配達をしてもらう必要がありません。

また、体調が悪いときや人に会いたくないときでも、対面せずに荷物を受け取れます。ただし、最近は宅配ボックスを狙った盗難被害も多いため、鍵つきの宅配ボックスがおすすめです。

スマートキー

近年人気の高いオプションといえば、「スマートキー」が挙げられます。スマートキーは、リモコンやカード、アプリなどを使って施錠・解錠ができるシステムのことです。鍵穴がないことから防犯性に優れており、採用する家も増えています。

5万円前後で取りつけ可能ですが、種類や性能によって金額は大きく異なります。また、後づけも可能ですが、新築時に導入するほうが費用は安くなります。これから家づくりをする人は、前向きに検討してください。

深型食洗機

最近では、食洗機が標準設備のハウスメーカーが増えています。しかし、ほとんどのハウスメーカーは「浅型」食洗機です。浅型食洗機は、器の大きさや量が限られるため2回洗浄したり、手洗いをしたりする必要が出てくるでしょう。そのため、「深型」食洗機にグレードアップする人が多いです。

深型にグレードアップするには、2～5万円前後の費用がかかります。しかし、家事の負担を軽減し水道代の節約にもなるため、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスに優れています。

室内物干し

室内物干しスペースがあれば、「洗う」「干す」「畳む」といった一連の動作がスムーズになります。また、雨の日はもちろん、花粉の季節や防犯としても役立つでしょう。そのため、注文住宅では人気の高い設備のひとつです。

ただし、オプションとなるハウスメーカーも多く、取りつける場合は2～4万円前後の費用がかかります。室内物干しを設置する場合は、洗濯物の量や家族構成、ライフスタイルを考慮して最適なものを選びましょう。