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不動産売却

底地を売却する5つの方法を徹底解説!価格相場の調べ方もチェック

底地を売却する5つの方法を徹底解説!価格相場の調べ方もチェック

借地権が設定されている底地は、売却が難しい土地のひとつです。どうして底地の売却は難しいのでしょうか。底地について基礎からわかりやすく解説し、どのようにすれば売却できるのかを紹介します。

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【基礎から解説】底地・借地権とは?

底地を売却する方法を解説する前に、底地と借地権の基本についておさらいをしておきましょう。正確な言葉の意味を把握することで、取引のときの勘違いや誤りを防げます。

底地とは

底地そこち」とは、借地権しゃくちけんが設定されている土地のことです。底地のことは「貸地かしち」と呼ぶこともあります。底地を所有している人を地主といい、借地権設定者しゃくちけんせっていしゃとも呼びます。

土地を借りている(借地権の所有者)人は借地人しゃくちにんで、土地を使用する権利は地主ではなく借地人にあります。

底地を所有する地主は借地人に土地を貸して地代を受け取ったり、借地契約の更新時に更新料をもらったりする権利があります。なお、借地権は売買することが可能ですが、そのときは地主の承諾が必要です。地主は借地権の売買を認める代わりに、承諾料を受け取れます。

借地権とは

借地権は「建物の所有を目的」として土地を借りる権利です。そのため、駐車場や資材置き場など、建物のない土地は該当しません。借地人は地主に地代を払って土地を借り、マイホームなどの建物を建てます。

借地権には賃借権と地上権があり、賃借権は第三者に建物を売却するときには地主の承諾が必要です。借地権の土地は、自分が所有する土地と比べると土地や建物に対して自由度が低く、さまざまな制約を受けます。なお、地上権は地主の承諾がなくても自由に売却や転貸が可能です。

1992年(平成4年)8月以降に土地を借りた場合は「借地借家法」が適用されます。

借地借家法には普通借地権と定期借地権が存在し、定期借地権で契約すれば借地人に一定の期間を定めて貸し出せます。従来の借地権と違い、契約時に定めた契約期間で借地関係が終了し、その後の更新はありません。

なお、借地には契約期間があり、契約期間が満了して契約更新をしない場合は、土地を更地にして地主に返却します。

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底地の売却が難しい5つの理由

底地を売却しようとしても、買主をすぐに見つけるのは難しいでしょう。底地がなかなか売れない理由として、次の5つが挙げられます。

  1. 購入しても土地を自由にできない
  2. 購入に住宅ローンを組めない
  3. 賃貸や駐車場経営より収益性が低い
  4. 更新料や地代の滞納リスクがある
  5. 相続税は高いのに資産性が低い

以上のような事情があるため、底地を購入する人が少ないのです。底地の売却が難しい理由について、それぞれ詳しく解説します。

① 購入しても土地を自由にできない

底地は借地人しか建物を建てられません。すでに底地の上に家を建てて暮らしている人もいます。

したがって底地を購入しても、その土地に家を建てることは、ほぼ不可能です。借地権は簡単に解除できない強い権利のため、土地の所有者でも自由にはできません。これが底地の売れにくい、大きな理由となります。

借地権の存続期間は30年以上で、借地人は契約の更新が可能です。1回目の更新は20年以上、2回目以降は10年以上と長い期間で設定します。借地権は借地人を保護する意味合いが強く、正当な理由がなければ地主からの一方的な契約解除が認められません。

このように借りている人の権利が強いため、買い手を見つけるのが難しいといえます。

② 購入に住宅ローンを組めない

住宅ローンを利用するときは、融資の対象となる不動産を担保として抵当権を設定します。

しかし、地方にある底地は担保としての価値がないケースが多く、住宅ローンを組めないケースが大半です。そのため、現金一括で支払わなければならないため、資金を調達するのが簡単ではありません。この点も、底地が売却しにくい理由のひとつです。

ただ、都市圏にある底地の場合は例外であり、担保として通用するケースもあります。都市部は土地の価値が高いため、借地権の財産的価値があるからです。借地人が底地を購入するときも土地と建物の双方に抵当権を設定できるため、住宅ローンを利用できる可能性があります。

③ 賃貸や駐車場経営より収益性が低い

地代を得られるという点から、底地を投資不動産として売却するケースもあります。しかし、一般的に底地の購入で得られる利回りは、2~4%ほどといわれています。

一般財団法人 日本不動産研究所が2020年11月に公表した「第43回不動産投資家調査」では、東京をはじめとする主な政令指定都市の賃貸物件の期待利回りは約4~6%です。底地の収益性のほうが下まわっているため、不動産投資の対象としてわざわざ底地を買う人が少ないのです。

④ 更新料や地代の滞納リスクがある

地代や更新料、承諾料などの支払いを、借地人が滞納するリスクも考えられます。滞納されると収益を上げられないため、経済的な損失を受けます。

地代を滞納された場合、地主は借地人に対して借地契約を解除できるのですが、簡単にはできないのです。正しい手順で進めないと契約解除が認められず、手間や労力もかかるため、精神的に疲れてしまいます。

⑤ 相続税は高いのに資産性が低い

一般的に底地の売却価格は更地価格の約10~15%が相場で、高く売却することはできません。たとえば2,000万円の底地の売却価格は、約200〜300万円です。

相続税評価額だと土地は実勢価格の約80%と評価されます。たとえば時価2,000万円の土地であれば、更地としての相続税の評価額は1,600万円です。

土地のある場所が借地権割合50%の地域なら、底地の相続税評価額は次のようになります。

1,600万円×(1-50%)= 800万円

約200〜300万円でしか売れないのに、相続税評価額は800万円と釣り合わない金額になってしまうのです。それにより相続税が高くなり、購入を控える人が多くなってしまいます。

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売れにくい底地を売却する5つの方法

底地 売却

底地は売却の難しい土地ですが、まったく売れないわけではありません。売れにくくても底地を売却する5つの方法を解説します。

① 借地人に買い取ってもらう

底地にはさまざまなデメリットがありますが、借地人には当てはまりません。そのため、借地人に買い取ってもらうのがよいでしょう。

借地人は底地を購入すると、地主の承諾が必要だった家の建て替えなどを自由に行えるようになるメリットがあります。

② 底地と借地を合わせて売却する

地主と借地人が協力して、「底地と借地権つきの建物を合わせて売却する」という方法があります。

底地と借地権のいずれも単独で売却すると、市場価格が低いうえに買主がなかなか見つかりません。しかし、一緒に売却すれば通常の所有権つきの不動産と同様の取引ができるため、実勢価格に近い価格で売却できる可能性があります。

③ 完全所有権の土地にしてから売却する

底地と借地権の一部を等価交換することで、地主と借地人がそれぞれの土地を単独で所有して売却する方法もあります。

地主は所有する土地の面積が少なくなってしまいますが、借地権のない土地になるため買主が見つかりやすいのがメリットです。複雑な権利関係がないため、買主は自由に土地を利用できます。

投資家に売却する

地代からの収益を目的にする投資家に売却するのもよいでしょう。投資家へ売却するには、次の条件を満たす必要があります。

  • 底地価格と賃料などの収益が釣り合っている
  • 土地の境界や借地部分が明確になっている
  • 借地権者との契約状況を明らかにする

以上の条件を満たすことで、投資家が問題なく収益を見込める物件とわかるようにする必要があるのです。

底地を扱う不動産会社へ売却する

底地を取り扱う不動産会社へ売る方法もあります。底地は一般消費者に売却することが難しく、借地人への売却も望めない場合はなかなか手放せません。

そのため、底地の売買実績が豊富な不動産会社への売却を検討するのもよいでしょう。売却価格の相場は、更地価格の10~15%程度とされています。

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底地の相場価格を調べる方法【路線価で算出】

路線価を利用して底地の相場価格を調べる方法を解説します。

路線価図の見方

底地の相場価格を調べるには、まず土地のある場所の路線価を調べましょう。

国税庁のWebサイトでは、簡単な操作で路線価をリサーチできます。路線価図には、土地に含まれる借地権がどの程度の割合なのかが明記されているため、その数字にもとづいて路線価を算出します。

路線に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価格は、千円単位で表示されています。たとえば「320D」と記載されている場合、1㎡あたりの価格は32万円です。借地権割合はD 60%になります。

底地 売却

出典:路線価図の説明|国税庁

底地価格の計算方法

路線価を利用して、底地価格の計算をしましょう。

① 路線価から土地の評価額を割り出す

路線価から底地の評価額を割り出します。そのときに土地の評価を調整する奥行価格補正率を、計算式に組み込みます。路面に接している土地全体が、ひとつの道路にだけ面している場合は次の計算式で算出できます。

評価額=(正面路線価)×(奥行価格補正率)×(面積)

正面路線価が50万円、奥行価格補正率が1.00、面積が200㎡の場合は、次のように計算します。

(正面路線価50万円)×(奥行価格補正率1.00)×(面積200㎡)=1億円

計算すると土地の評価額は1億円になります。

② 借地権評価額を算出する

次に借地権評価額を計算します。土地の評価額が1億円で、借地権割合が「C 70%」と仮定します。借地権評価額は次のようになります。

1億円×C(70%)=7,000万円

借地権の評価額は7,000万円です。

③ 底地の評価額を計算する

いよいよ底地の評価額を計算します。借地権の評価額が7,000万円なので、次の計算式に当てはめて計算します。

7000万円×(1-70%)=2,100万円

これにより、底地の評価額は2,100万円とわかりました。

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