細長い家はデメリットばかりじゃない!おしゃれな間取りにする工夫を紹介
マイホームを建てるために土地を探していると、予算の関係などから細長い土地を候補として考える人も多いです。
間口とは道路に面した箇所をいいますが、その間口が6m以下の家は細長い家と呼ばれています。細長い家=狭いイメージがあり、デメリットばかりのようですが実際はどうなのでしょうか。
細長い家のメリットやデメリット、おしゃれな間取りにする工夫を具体的に紹介します。
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目次
細長い家のメリット
ここでは、細長い家のメリットを5つ紹介します。
利便性のよい場所に住める
駅近や付近に商業施設が多くあるような利便性のよい場所に、広い土地はなかなかありません。
しかし、間口の狭い細長い家は、利便性のよい土地に意外と多くみられます。利便性がよい割に土地代が安いことが多く、需要があります。
- 駅から徒歩園内
- 都心へアクセスしやすい
- 商業施設や公共施設、医療機関が近くにそろっている
家の広さより上記の項目を重視する人には最適でしょう。
家事動線が短くなる
家事動線とは、家事をするときに通る道筋のことです。料理や洗濯、掃除など同時にいくつものことをする必要があるとき、家事動線が短くスムーズであれば、時短になり家事も楽に行えます。
反対にたとえば、洗濯機と洗濯物を干す場所までの距離が長いと、移動に時間がかかってしまいます。
細長い家は行き来するだけのシンプルな家事動線になり、正方形の家より無駄のない間取りにできるメリットがあります。
光熱費が比較的安くなる
実際に住むと、光熱費がランニングコストとしてかかりますが、特に冷暖房にはお金がかかります。いびつな家の形や間取り、部屋数が多いと、多くの設備を設置する必要があり、光熱費が高くなってしまいます。
細長いシンプルな家のほうが、光熱費などのランニングコストを抑えるのに最適な家といえるでしょう。
土地代や固定資産税が安い
立地条件がよい割に間口が狭く細長い家は、間口が広い土地と比較すると、土地代が安くなります。
また、間口が狭い土地は使いにくいとして、低い評価を受けます。そのため、固定資産税や相続税も抑えられます。特に固定資産税は、土地や家を購入してから毎年納税する義務が発生します。
細長い家は、土地代や税金を抑えたい人に向いているといえるでしょう。
リフォームなどの費用が抑えられる
工事内容にもよりますが、細長い家は建物の規模が小さい分、リフォームに必要な材料が少ないです。そのため、リフォームにかかる費用は、間口が広い家に比べると比較的安く抑えられます。
細長い家は、光熱費だけでなく将来のリフォーム代などのコストも抑えてくれるのです。
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細長い家のデメリット
細長い家のメリットは多くありますが、もちろんデメリットもあります。ここでは、デメリットを5つ紹介します。
採光がとりにくい
日が当たりにくいことは、細長い家の問題のひとつです。間取りによっては、まったく日が当たらない部屋もあるでしょう。
隣の家に採光を遮られているため、晴れた日の昼間でも、電気をつけないと部屋が暗いかもしれません。また、日当たりだけでなく風通しもよくないことが多いです。
周囲の建物に日光が遮られない場合でも、日当たりがよいとはいえません。たとえば南北に長い家の場合、玄関が南や北向きに限定されます。南を玄関にすると、部屋は西向きか東向きです。東向きの部屋は朝のみ日が当たり、西向きの部屋は西日が強いでしょう。
日光や風通しを考えて、少しでも日当たりがよい部屋にはもっとも長く滞在する部屋を割り振るなどの考慮が必要になるでしょう。
間取りのカスタマイズが困難
間口が狭い細長い家は、道路に面している部分や日の当たる場所が少ないため、間取りの自由度が低いです。
細長い家は、どうしても狭さからくる窮屈な印象があります。圧迫感を感じさせないようにするために、窓の位置、リビングや寝室、キッチンやバスなどの水回り、そして玄関の場所などほぼ決まってしまいます。
間口が狭いだけで奥が広い家であれば、ある程度由に間取りを設計できますが、間口が狭くて奥行きもない家になると限界があります。
古くからある木造軸組工法(在来工法)は、柱と梁(はり)を組み上げて家を建てる工法です。細長い家の場合、柱や梁(はり)の場所を確保すると、間取りのカスタマイズは難しいでしょう。
プライバシーが守られにくい
民法では、建物を建てるには敷地境界線から50cmは離すという決まりがあります。
建物を築造するには、境界線から五十センチメートル以上の距離を保たなければならない。
地域によっては、1m以上離すルールを設けているところもあります。細長い家は土地の幅が狭いため、ルールを違反しない限界の大きさで家を建てることが多く、隣家との距離が近くなりやすいです。
そのため、隣人の声や物音が聞こえやすくなります。もちろん、隣人にも自分の声や音が聞こえます。
隣家と窓の位置が向かい合わせの場合、隣人と自分が同時に窓を開けると、目が合ってしまう事態も考えられます。窓を開けると声だけでなく、お互いの部屋の中身まで見えてしまうなど、プライバシーを守りにくいという面があります。
地震に弱いと考えられるケースがある
細長い家は、正方形の家より耐震性が低いといわれています。細長い家は長方形ですが、その長方形の短辺に沿った方向に揺れる地震の場合、余計に大きく揺れてしまいます。
また、限られたスペースでできるだけ居住空間を確保するために3階建てにすると、さらに地震に弱い家になってしまう可能性があります。
当然、国が定める耐震基準に基づいて家は設計されているため、安全性は高い家であることは間違いありません。しかし、細長さからくる耐震性の弱さは完全にカバーできるわけではないことには注意が必要です。
また、隣家との距離が近いと、近所で火災が発生した際は火が燃え移って被害を受けやすくなります。このことは、大地震で隣家が倒壊した場合にも当てはまることです。
こういった事情を加味して、本当に安全な家なのかどうかは、きちんと見極めたいものです。
解体費が高額
細長い家は、リフォーム代が広い家より安くなると前述しましたが、それに対して解体費は高くなる傾向にあります。
間口が狭いと、建物を解体するときに重機が入れないことがあるためです。敷地内に限度ぎりぎりにまで建物を建てていることも多いため、資材置き場や車を停めるスペースの確保も難しくなります。
重機やフォークリフトが使えないと、すべての作業を人の手で行う必要があります。そうなると多くの作業員と時間が必要なため、その分費用がかさんでしまいます。
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細長い家を暮らしやすいおしゃれな間取りにする工夫
細長い家でも、工夫次第でおしゃれで生活しやすい間取りにできます。おすすめの設備などを紹介するので、細長い家を建てるときにぜひ検討してください。
ロフト
ワンルームなど狭いマンションによく見られるロフトは、細長い家とも相性抜群です。屋根部分の余っているスペースに区切りをつけて、部屋を二層にするだけです。
収納スペースとして活用できるほか、就寝スペースとしても活用できます。ロフトを活用すれば狭い家も物であふれかえらず、見た目もスッキリします。
オープン階段
段板(階段の踏み板)とささら桁(階段の両端で支えている板)でできているのが、オープン階段です。スケルトン階段やストリップ階段などとも呼ばれています。
オープン階段は、通常の階段より開放感があるのが最大のメリットです。狭い玄関エリアに階段を設置する場合にも適しています。スッキリして見えるので、リビングの中に設置するとおしゃれな空間にできます。
インテリアにもなるうえ、オープン階段にオブジェを飾ることも可能です。オープン階段下にスペースができるため、ちょっとした書斎などもできます。
折り上げ天井
折り上げ天井とは、天井の中央部分が少し高くなっている天井のことです。中央部分が高くなっている分、天井の奥行きができるため、開放感があり部屋を広くみせてくれます。天井自体を上げるのは難しいですが、天井の中央部分を一段だけ上げるのみです。細長くて狭い家におすすめです。
折り上げ天井にすると、位置によっては高窓などが設置できるため、外部からの光を取り入れやすくなります。部屋も明るくなり、広く感じさせてくれます。
また、折り上げ天井は見た目もおしゃれで洗練された空間ができます。素材や色次第では、部屋のアクセントになってくれるでしょう。
吹き抜け
吹き抜けとは、1階部分の天井と2階の床をくり抜いた空間のことです。おしゃれなレストランや商業施設などでよく見かけますが、最近は個人住宅でも見かけるようになりました。リビングや玄関、階段エリアでよく利用されています。
吹き抜けの長所は開放感です。天井が高くなると狭い家も圧迫感を感じず広々した印象になります。さらに、高い位置に窓を設置すると、外の光が入ってきて明るい空間に早変わりです。
吹き抜けにするだけでおしゃれに見えるのも利点といえるでしょう。
スリット窓
スリット窓とは、細長い形のはめ込み式の窓をいいます。壁にはめ込むことも可能なため、細長く狭い家でも設置が可能です。
また、採光がとりにくい家でもスリット窓にすれば自然光を採り込めて、部屋が明るくなります。見た目もスッキリとしてスタイリッシュに見えるのもポイントです。
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住宅メーカー選びが重要!
細長い家の問題は「狭さ」です。しかし狭い家も工夫次第で快適に暮らせます。
紹介したもの以外でも、たとえば駐車場をビルトインにする、家の色を統一してスッキリみせるなどの工夫も可能です。
リビングを家の中心にし、リビングの中に階段を設置すれば家族全員がまとまりやすくなります。家族とのコミュニケーションも取りやすくなるでしょう。
3階建てにして1階は駐車場、玄関と浴室、2階はキッチンとリビング、3階は寝室と子ども部屋などに分けると、それぞれの部屋のスペースを有意義に使えます。
このように、工夫次第で細長く狭い家でも快適に暮らせます。
ただし、すべてが思い通りになるわけではありません。妥協できない点はなにか、妥協してもよい点とはなにかを考えて改善できるところは改善していきましょう。
納得がいくマイホームにするには、住宅メーカー選びが重要です。専門知識が豊富なプロに相談するのがよいでしょう。
細長い土地や狭小地などを専門にしている不動産会社もあります。間取りや写真、多くの実例なども確認できますので、細長い家に住む予定の方や検討している方は、まずは気軽に相談してみましょう。
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