狭小住宅の基本と注意点|15坪の土地にはどんな家を建てられる?

15坪の土地は、決して広くはありません。しかし、駅から近いなど利便性の高い土地であれば、狭いという理由だけで見逃してしまうのはもったいないかもしれません。広くない土地であっても、工夫次第で快適に暮らせる住宅を建てられるためです。
15坪の土地に快適な家を建てる、間取りのアイデアを見ていきましょう。
目次
15坪の広さってどれくらい?
「15坪」と聞いてどれくらいの広さをイメージされるでしょうか。土地探しをはじめると、「坪」や「㎡(平米)」という表示を目にする機会が増えます。
15坪を㎡であらわすと、約50㎡です。しかし、坪も㎡も日常生活で使う頻度が少ない単位のため「広さをイメージしにくい」と感じる人も多いでしょう。
それでは、「駐車場約4台分の広さ」と考えるとどうでしょうか。駐車場4台分の広さに家を建てると考えると、あまり大きい土地ではないことがイメージできます。
また、国土交通省の「住生活基本計画」の誘導住居面積水準によると、住宅面積に関する水準を以下のように設けています。
最低水準 | 都市部 | それ以外の地域 | |
---|---|---|---|
1人暮らし | 25㎡ | 40㎡ | 55㎡ |
2人暮らし | 30㎡ | 55㎡ | 75㎡ |
3人暮らし(未就学児1人) | 35㎡ | 65㎡ | 87.5㎡ |
3人暮らし(全員6歳以上) | 40㎡ | 75㎡ | 100㎡ |
4人暮らし(未就学児1人まで) | 45㎡ | 85㎡ | 112.5㎡ |
4人暮らし(全員6歳以上) | 50㎡ | 95㎡ | 125㎡ |
引用元:国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」
この数値はあくまで目安ですが、家族3人で暮らす場合、100㎡前後の面積を必要とすることがわかります。
また、土地には、「建ぺい率」「容積率」という定めがあるため、15坪の敷地面積いっぱいに家を建てることはできません。したがって15坪の土地に家を建てる場合、3階建て住宅を検討したり、間取りを工夫したりする必要があります。
一般的に15坪~20坪以下の土地を狭小地といいます。都市部や首都圏に多く、形が三角や不整形地であるのも狭小地の特徴です。狭小地は一見デメリットが多く感じますが、工夫次第で十分に快適な生活を送れます。
ここからは、狭小住宅のメリット・デメリットについて見ていきましょう。
狭小住宅のメリット
狭小住宅のメリットには、以下のようなものがあります。
- 利便性が高い
- 土地費用が抑えられる
- 維持費や税金が安い
狭小地の多くは、都市部や首都圏の人口が密集しているエリア、駅近など、利便性の高い場所にあります。そのため、通勤・通学や買い物には大変便利な環境でしょう。また、土地が小さい分、土地費用や固定資産税などを安く抑えられます。10年20年の長いスパンで考えると大幅な節約につながります。
狭小住宅のデメリット
次に、狭小住宅のデメリットを見ていきましょう。
- 建築費用が高くなることがある
- 日当たりや風通しが悪くなる
- 階段の上り下りが大変
狭小住宅は、間取りや設備での工夫が必要になります。たとえば、3階建てにする場合は耐震性を高める必要があります。また、近隣の家と距離が近い場合、日当たりや風通しが悪くなることもあります。これらのデメリットは設備や間取りの工夫次第で減らせますが、建築費用が高くなりやすいため注意が必要です。
また、3階建て住宅の場合、階段の上り下りは避けられません。老後のことを考えると、3階までの上り下りはデメリットになるでしょう。
15坪の土地に建てる狭小住宅の間取り
狭小住宅のメリットとデメリットを踏まえたうえで、狭小住宅で快適に生活するための「おすすめ間取りポイント」を6つご紹介します。ぜひ、家を建てるときの参考にしてください。
吹き抜けや天窓を利用して採光対策
狭小住宅は、日当たりが悪くなりがちです。1階部分はほぼ日が当たらないというケースも珍しくないため、日の当たらない部屋を寝室にするなどの工夫が必要です。狭小住宅で採光を取り入れるには、天窓をつけたり、リビングを吹き抜けにしたりして天井から光を取り込みましょう。
また、反対に窓の高さを低い位置につけるのもおすすめです。足元に小さな窓をつけることで、道路や隣家の視界を気にせず、採光と風通しを確保できます。
中庭をつくって風通しをよくする
狭小住宅は、隣家との距離が近くなりやすいため、大きな窓や庭をつくりにくいという特徴があります。また、周囲を建物で囲まれていてカーテンや窓を開けにくいといったケースもあるでしょう。
こうした風通し問題は、中庭をつくることで解決できます。中庭をつくれば風通しだけでなく、採光も確保できます。さらに、人目を気にせず気軽にカーテンを開けられるため、ストレスの少ない開放的な生活が送れるでしょう。
ロフト、スキップフロアで収納スペースをつくる
狭小住宅では、収納スペースの確保が課題のひとつになります。収納スペースを確保するには、天井を高くしてロフトを設けることをおすすめします。
また、スキップフロアや階段下のデッドスペースをうまく活用することで、子どもがワクワクする秘密基地のような収納スペースをつくることも可能です。収納は、アイデア次第で確保できるため、生活スタイルや家族構成に合わせて検討しましょう。
駐車スペースはビルトインガレージでつくる
狭小地に居住スペースと駐車場を確保するためには、ビルトインガレージが最適です。家と別に駐車場を借りる方法もありますが、都心部では駐車場代が高額になるため、家計の負担になるでしょう。ビルトインガレージにすれば、玄関までの距離が近く、悪天候の日も自動車への乗り降りをスムーズに行えます。
地下室は防音性の高い趣味スペースになる
3階建て住宅に地下室をつくることで、防音性の高い趣味スペースを持てます。楽器演奏やシアタールーム、ダンススタジオなどに最適です。狭小住宅は高さ制限が設けられている土地もあるため、そのような場合は地下室を検討するのも有効な方法です。
ドアや壁を少なくして空間を区切らない
狭小住宅では、なるべくドアや壁を少なく、空間を区切らないことで開放感のある空間ができます。狭い空間にドアや壁をつくると圧迫感が生まれ、窮屈に感じることがあるため注意しましょう。
狭小住宅を建てるときの注意点
これから狭小住宅を建てる方は、「建てるときの注意点」を把握しておくことで、よりよい家づくりを行えます。また、都市部の土地は都市計画法で用土地域が定められているため、地域の制限を理解してから土地の購入を検討しましょう。
生活動線を意識した設計にする
狭小住宅では、どうしても上下の動きが多くなるため生活動線や家事動線をしっかり考えておく必要があります。たとえば、ランドリースペースとクローゼットを近くに配置することで洗濯がワンフロアで完結します。
また、日常で使用頻度が多いトイレへの動線は、優先的に考えておきましょう。このように、生活スタイルをイメージしながら間取りに取り入れていくことで、生活動線を意識した設計が実現します。
建築規制をしっかり確認しておく
都市部の土地には都市計画法で用土地域が定められていて、その土地に建ててもよい建物の「広さ」や「高さ」が決められているため注意が必要です。3階建てまでであれば建てられることが多いため、そこまで心配する必要はありません。
しかし、なかには「購入した土地が家を建てられない場所だった」、「高さ制限で3階建てが建てられなかった」というケースもあります。土地を購入するときは、不動産会社にしっかりと土地の制限を確認しておくと安心です。
狭小住宅の設計に慣れたハウスメーカーに依頼する
狭小住宅の人気の高まりとともに、狭小住宅を専門とするハウスメーカーや施工会社が増えています。経験豊富、実績豊富なハウスメーカーに依頼すれば、ノウハウも多く安心して設計を任せられます。
狭小地はネガティブなイメージを持つ方もいるかもしれませんが、アイデア次第で十分快適な生活を送ることが可能です。土地が持つ個性や条件に合わせて、素敵なマイホームを手に入れましょう。