東京都内に家を建てるにはいくらかかる?平均価格をもとに解説

地価の高い東京で家を建てるには、どれくらいの費用が必要なのでしょうか。2025年度のフラット35利用者調査では、東京都で土地を買って注文住宅を建てた人の費用は平均約8,003万円で、全国平均より約2,690万円高くなっています。
この記事では、東京都の注文住宅の費用相場、23区・多摩地域の土地価格、住宅ローンと年収の目安、入居後の税金、費用を抑えるポイントを、2026年10月時点の公的データをもとに表で整理します。
東京都で注文住宅を建てる費用の平均
東京都の注文住宅の費用は、土地を新たに買うかどうかで大きく変わります。住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」(2026年7月公表)の平均は次のとおりです。
| 区分 | 東京都 | 首都圏 | 全国 |
|---|---|---|---|
| 土地付注文住宅の総額 | 約8,003万円 | 約6,404万円 | 約5,313万円 |
| うち建設費 | 約3,733万円 | 約3,814万円 | 約3,738万円 |
| うち土地取得費 | 約4,269万円 | 約2,590万円 | 約1,575万円 |
| 注文住宅(土地あり)の建設費 | 約5,131万円 | 約4,762万円 | 約4,260万円 |
土地付注文住宅の建設費は、東京都も全国もほぼ同じです。東京都が全国より高いのは、差額のほとんどが土地取得費によるものです。

首都圏は埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県の平均です。フラット35の利用者を集計した数値のため、実際の費用は建物の大きさや仕様で変わります。
家を建てる費用の内訳
注文住宅を建てる費用は、主に次の3つに分けられます。見積もりを比べるときは、どこまでの費用が含まれているかを確認しましょう。
- 本体工事費:基礎・柱・屋根・外壁など、建物そのものの工事費
- 付帯工事費:地盤改良、外構、水道やガスの引き込みなどの工事費
- 諸費用:住宅ローンの手数料、登記費用、火災保険料、税金など
都内では、敷地が狭い、前面道路が細いといった理由で重機が入れず、手作業が増えて付帯工事費が高くなる場合があります。土地の契約前に、建築会社に工事条件を確認してもらうと安心です。
東京都の土地価格の相場(2026年地価公示)
東京都の住宅地の平均価格は1㎡あたり約56.5万円、23区に限ると約85.6万円です。1坪(約3.3㎡)に直すと、都全体で約187万円、23区で約283万円になります。
出典は東京都財務局「令和8年地価公示 区市町村別用途別平均価格」(2026年1月1日時点)です。
23区の住宅地の平均価格
23区の住宅地の平均価格を、価格帯ごとに分けると次のとおりです(1㎡あたり)。
| 価格帯 | 区と平均価格 |
|---|---|
| 200万円以上 | 千代田区(約363万円)、港区(約301万円) |
| 100万〜200万円 | 中央区(約193万円)、渋谷区(約187万円)、文京区(約145万円)、目黒区(約140万円)、台東区(約132万円)、品川区(約124万円)、新宿区(約113万円) |
| 70万〜100万円 | 豊島区(約91万円)、中野区(約78万円)、世田谷区(約78万円)、北区(約74万円)、荒川区(約72万円)、杉並区(約70万円) |
| 50万〜70万円 | 江東区(約66万円)、大田区(約65万円)、墨田区(約61万円)、板橋区(約55万円) |
| 50万円未満 | 練馬区(約48万円)、江戸川区(約44万円)、足立区(約41万円)、葛飾区(約39万円) |
同じ23区でも、千代田区と葛飾区では約9倍の差があります。都心から離れた東部・北部・西部の区ほど、土地を買いやすくなります。

多摩地域の住宅地の平均価格
多摩地域の住宅地の平均価格は次のとおりです(1㎡あたり)。23区より価格を抑えやすい一方、駅からの距離で価格が大きく変わります。
| 価格帯 | 市と平均価格 |
|---|---|
| 40万円以上 | 武蔵野市(約69万円)、三鷹市(約49万円)、調布市(約43万円)、国立市(約41万円) |
| 30万〜40万円 | 小金井市(約39万円)、狛江市(約38万円)、府中市(約36万円)、国分寺市(約35万円)、西東京市(約33万円)、立川市(約31万円) |
| 20万〜30万円 | 稲城市(約27万円)、小平市(約26万円)、東久留米市(約24万円)、日野市(約22万円)、昭島市(約21万円)、東村山市(約21万円)、多摩市(約20万円)、清瀬市(約20万円) |
| 20万円未満 | 東大和市(約18万円)、福生市(約17万円)、町田市(約17万円)、羽村市(約15万円)、八王子市(約13万円)、武蔵村山市(約13万円)、あきる野市(約10万円)、青梅市(約10万円) |
多摩地域では、武蔵野市・三鷹市など23区に近い市ほど高く、西へ行くほど価格が下がる傾向があります。
30坪の土地を買う場合の計算例
地価公示の平均価格をもとに、30坪の土地代を計算すると次のとおりです。
- 土地の広さ:30坪(約99.17㎡)
- 使う価格:2026年地価公示の住宅地平均価格
計算の結果は次のとおりです。
- 世田谷区:779,900円 × 99.17㎡ = 約7,735万円
- 練馬区:480,500円 × 99.17㎡ = 約4,765万円
- 葛飾区:387,500円 × 99.17㎡ = 約3,843万円
- 八王子市:131,300円 × 99.17㎡ = 約1,302万円
地価公示は標準的な土地の価格です。実際の売買価格は、駅からの距離や土地の形、前面道路の条件で上下します。
住宅ローンと必要な年収の目安
住宅ローンをいくら借りられるかは、年収と毎月の返済額の割合で決まります。東京都で家を建てた人の年収と返済の状況を見てみましょう。
東京都で家を建てた人の年収と返済の状況
2025年度のフラット35利用者調査では、東京都で注文住宅を建てた人の平均は次のとおりです。
| 項目 | 土地付注文住宅 | 注文住宅(土地あり) |
|---|---|---|
| 世帯年収 | 約921万円 | 約776万円 |
| 手持金(頭金など) | 約1,452万円 | 約1,464万円 |
| 総返済負担率 | 27.0% | 23.2% |
| 年収倍率 | 9.9倍 | 7.6倍 |
総返済負担率は、年収に占める年間の返済額の割合です。年収倍率は、所要資金が世帯年収の何倍かを表します。東京都は、全国平均(土地付注文住宅7.8倍、注文住宅6.9倍)より高い倍率です。
返済負担率から借入額の目安を計算する
フラット35では、総返済負担率の基準が年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下と決められています。ただし、上限まで借りると家計に余裕がなくなります。
次の条件で、年収ごとの借入額の目安を計算しました。
- 返済負担率:25%
- 金利:年2.0%(全期間固定と仮定)
- 返済期間:35年、元利均等返済、ボーナス払いなし
| 世帯年収 | 毎月の返済額 | 借入額の目安 |
|---|---|---|
| 500万円 | 約10.4万円 | 約3,145万円 |
| 700万円 | 約14.6万円 | 約4,402万円 |
| 900万円 | 約18.8万円 | 約5,660万円 |
| 1,000万円 | 約20.8万円 | 約6,289万円 |
金利が上がると、同じ返済額でも借りられる額は減ります。金利の動きと予算の考え方は「家を買うタイミングはいつ?金利上昇時代の家づくりと予算の考え方」で解説しています。
夫婦で収入を合算する場合は「共働き世帯の住宅ローン|年収の目安」も参考にしてください。正確な借入可能額は、金融機関の事前審査で確認しましょう。
頭金を用意するときの注意点
頭金を多く入れるほど借入額が減り、毎月の返済も軽くなります。ただし、貯蓄をすべて頭金に回すと、次のような費用が払えなくなるおそれがあります。
- 諸費用:登記費用、ローンの手数料、火災保険料など
- 引っ越し・家具:引っ越し代、家具・家電、カーテンなど
- 予備費:病気や失業など、もしものときの生活費
入居後にかかる税金と維持費
家を建てたあとは、住宅ローンのほかに毎年の税金がかかります。東京都23区の固定資産税・都市計画税の計算方法と、住宅の軽減は次のとおりです。
| 税金 | 税率 | 住宅の主な軽減 |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 1.4% | 土地は200㎡まで評価額の6分の1。新築の建物は3年度分(3階建以上の耐火・準耐火建築物は5年度分)、120㎡分まで税額の2分の1 |
| 都市計画税(23区) | 0.3% | 土地は200㎡まで評価額の3分の1。23区では令和8年度、この部分の税額をさらに2分の1に軽減 |
出典は東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)」です。税額は土地と建物の評価額で決まるため、購入前に建築会社や不動産会社に目安を確認しましょう。
建物は、外壁や屋根の塗り替え、給湯器などの設備の交換が定期的に必要です。毎月少しずつ修繕費を積み立てておくと、まとまった出費に備えられます。
都内で家を建てる費用を抑えるポイント
土地も建物も高い東京でも、工夫次第で総額を抑えられます。主なポイントは次のとおりです。
- エリアを広げる:同じ沿線でも区や市が変わると土地の価格が大きく下がる
- 土地の広さを絞る:必要な広さを決め、狭小地も候補に入れる
- 建物の形をシンプルに:凹凸を減らすと外壁や屋根の面積が減る
- 設備にメリハリ:こだわる設備と標準でよい設備を分ける
費用を抑える方法は「安く家を建てるには?注文住宅で後悔せずに費用を抑える方法」でも詳しく紹介しています。
狭小住宅なら都内でも家を持ちやすい

土地代の高い都内では、15〜20坪前後の土地に建てる「狭小住宅」も選択肢になります。土地の面積が小さい分、土地代を抑えられます。
狭小住宅のメリット・デメリット
狭小住宅のメリットとデメリットは次のとおりです。
| 項目 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 費用 | 土地代と土地の固定資産税を抑えやすい | 3階建てになると構造計算などの費用がかかる |
| 立地 | 駅に近い便利な場所でも選びやすい | 隣家が近く、日当たりや視線に配慮が必要 |
| 暮らし | 家がコンパクトで冷暖房が効きやすい | 階段の上り下りが増える |
| 住宅ローン | ― | 金融機関によって土地や床面積の基準がある |
住宅ローンの基準は金融機関ごとに異なります。たとえばフラット35は、一戸建ての床面積を50㎡以上としています。
快適に暮らすための設計の工夫
狭小住宅でも、空間を縦に使う設計で快適に暮らせます。主な工夫は次のとおりです。
- 3階建て:床面積を増やし、部屋数や収納を確保する
- 吹き抜け・天窓:上から光を取り込み、明るさと開放感を出す
- デッドスペースの活用:階段下や屋根裏を収納に使う
狭小住宅の基本は「狭小住宅の基本と注意点|15坪の土地にはどんな家を建てられる?」で解説しています。12坪の敷地に建てた実例は「間口2m強。12坪の狭小敷地に建てた工夫に満ちた住まい」で紹介しています。
BLISSの都内での家づくり
株式会社BLISSは、2003年の設立以来、東京・千葉・埼玉を中心に狭小住宅の家づくりを手がけてきた工務店です。都内の限られた土地での家づくりには、次の体制で取り組んでいます。
- 設計:一級建築士事務所として、土地の条件や法規制を踏まえてプランを考える
- 体制:営業・設計・施工の三位一体で家づくりを進める
- 実績:年間300棟以上。狭小地・変形地・特殊立地での施工ノウハウがある
- 入居後:アプリ「BLISS CLUB」で書類管理やメンテナンスをサポート
見積もりは無料で、土地の確認・調査と建築可能なプランの検討を経てからご提示します。家づくりの考え方は「BLISSの家づくり」で紹介しています。
東京都内に家を建てる費用に関するよくある質問
Q. 東京都で土地を買って注文住宅を建てると、いくらかかりますか?
2025年度のフラット35利用者調査では、東京都の土地付注文住宅の平均は約8,003万円(土地約4,269万円、建物約3,733万円)です。土地のエリアと広さで総額は大きく変わります。
Q. 23区で土地が比較的安いのはどこですか?
2026年地価公示の住宅地平均価格では、次の4区が1㎡あたり50万円未満です。
- 葛飾区:約39万円
- 足立区:約41万円
- 江戸川区:約44万円
- 練馬区:約48万円
Q. 年収いくらあれば都内に家を建てられますか?
土地の価格や自己資金によって異なります。参考として、2025年度の調査で東京都の土地付注文住宅を建てた人の世帯年収は平均約921万円でした。借入額は返済負担率をもとに、無理のない範囲で決めましょう。
Q. 固定資産税はいくらくらいかかりますか?
土地と建物の評価額に税率1.4%をかけて計算し、23区では都市計画税0.3%もかかります。住宅用地や新築住宅の軽減があるため、具体的な金額は評価額をもとに確認しましょう。
まとめ
東京都で家を建てる費用は、土地をどこで、どれだけの広さで買うかで大きく変わります。2026年10月時点の公的データのポイントは次のとおりです。
- 費用の平均:東京都の土地付注文住宅は約8,003万円(2025年度フラット35利用者調査)
- 高い理由:建設費は全国とほぼ同じで、差のほとんどは土地取得費
- 土地の価格:23区の住宅地平均は1㎡あたり約85.6万円、区によって約9倍の差
- 住宅ローン:返済負担率と金利で借入額を考え、上限まで借りない
予算を抑えるには、エリアや土地の広さを柔軟に考え、狭小地も候補に入れることが有効です。希望のエリアでどんな家が建てられるか、土地探しの段階から工務店や建築会社に相談してみましょう。







