旗竿地は恥ずかしい? 実は掘り出しものかも!? メリットにも注目!
接道義務を果たす必要から、旗竿地のような変形地ができることがあります。旗竿地は価格が安いものの、恥ずかしいと感じる人が少なくありません。旗竿地を恥ずかしいと感じる理由と、意外な旗竿地のメリットなどを解説します。
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旗竿地の基本をおさらい
旗竿地とは、道路に接する土地が極端に狭く、奥側にまとまった敷地がある土地のことです。土地の形状が竿につけた旗のように見えることから旗竿地と呼ばれており、敷地延長、敷延の土地とも呼ばれます。
建築基準法において敷地に住宅を建てる場合は、「接道義務」の条件を満たす必要があります。接道義務とは、敷地に住宅を建てる場合、建築基準法で定められた道路に2m以上接していなければならないという決まりのことです。
接道義務は火災や急病人発生のときなどに、緊急車両の通行や避難経路を確保するために定められています。接道義務の条件を満たしていない場合は、住宅を建てられません。そのため、ハウスメーカーや不動産会社が敷地を分割する際に、接道義務の条件を満たして住宅を建設できるように旗竿地がつくられるのです。
なお、旗竿地は、自治体によっては3階建ての住宅が建てられないなどの建築規制が定められている場合がありますので注意が必要です。
旗竿地が恥ずかしいと考える6つの理由
旗竿地が恥ずかしいと考える理由は以下の6つです。
- 安い土地を買ったと思われる
- 駐車スペースが狭い
- 日当たりや風通しが悪い
- 建てる家が制限されることがある
- 郵便ポストが遠い
- 雪かきが大変
それぞれ詳しく解説します。
安い土地を買ったと思われる
きれいな整形地に比べると、旗竿地は一般的に価格が安いことが多いです。そのため、住宅を建てる予算が少なくて、安い土地を買ったと思われると感じるかも知れません。
実際には立地条件や敷地の広さなどで土地の価格は大きく変わるため、旗竿地だから安い土地を買ったということは一概にはいえません。
また、土地の価格を抑えて建物に予算をかける人もいるため、どこにお金をかけるかは人それぞれです。
駐車が困難、車の入れ替えが大変
旗竿地の間口によって変わりますが、接道義務の2mしかないなど極端に狭いと駐車自体が困難になります。乗り降りするのにも一苦労で、子どもがいる場合は車のドアを開けるときに注意が必要です。
また、車を2台停めるときには、縦列駐車をする必要があるため車の入れ替えが大変です。頻繁に2台の車を使う家庭は、近くの月極駐車場を借りることをおすすめします。
日当たりや風通しが悪い
住宅の周りを隣地の建物に囲まれていることが多く、旗竿地は日当たりや風通しが悪くなりがちです。日当たりや風通しは、住み心地に大きく影響するため、天窓や中庭を設けたり、窓の位置や大きさを考慮したりといった対策が必要になるでしょう。
また、日当たりや風通しが悪いと外壁が傷みやすく、カビやコケが発生しやすくなります。劣化しにくい外壁を選ぶことをおすすめします。
建てる家が制限される場合がある
旗竿地だとクレーン車が敷地内に入らないため、希望するハウスメーカーで建てられないことがあります。道路までの距離が長く、有効に使える土地が減るため、希望するプランで建てられないこともあるでしょう。
また、建築資材の運搬車両やクレーン車が敷地へ入れないと手作業で運ぶため、人件費が高くなるため注意が必要です。
郵便受け・ポストが遠い
旗竿地だと郵便受けやポストをどこに設置するか迷いますが、邪魔になりにくい道路のそばに設置することが多いです。玄関から遠い位置になるため、雨の日などは面倒でしょう。
郵便ポストを玄関近くに設置することもできますが、郵便の配達員やセールスの人が敷地に入って来ることになるためおすすめできません。
雪かきが大変
雪の多い地域では除雪車が入れず、雪かきが大変になるでしょう。道路までの距離が長く、雪かきが必要な場所も多くなるため除雪機を使う必要があると考えられます。
大量の雪を捨てる場所や除雪機の収納場所に困る可能性もあるため、雪の多い地域で旗竿地を購入するときは注意が必要です。
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掘り出しもの!? 旗竿地のメリット
恥ずかしいと考えられがちですが、旗竿地ならではのメリットもあるため掘り出しものの可能性もあります。旗竿地を購入するメリットは以下の通りです。
駅近など条件のよい土地でも安い
駅近や学校区がよい場所など、好条件の土地は価格が高くなります。誰もが欲しがるため人気で、整形地だと予算オーバーになることも少なくないでしょう。
一般的に旗竿地は、整形地に比べると約2~4割安くなる傾向があります。立地条件を重視する人は旗竿地を選ぶことによって、予算に収まる可能性があります。
固定資産税が安い
旗竿地は整形地に比べると、固定資産税も安くなります。旗竿地は不整形地にあたり、きれいな整形地と比べて評価額が低くなります。評価額が低くなるおもな理由として、実質利用できる土地が少ないこと、建物に制限がかかるおそれがあることなどが挙げられます。
間取りやバルコニーなどの向き、希望するハウスメーカーで建てられないなどの制限をされるかもしれません。
長く住むことを考えると毎年かかる固定資産税が安くなることは、うれしいメリットといえるでしょう。
道路から遠いメリットもある
旗竿地は道路から家まで離れているため、以下のようなメリットがあります。
- 人の目が気になりにくい
- 騒音が気になりにくい
- 子どもが飛び出す心配がない
道路から家まで距離があるため、あまり人の目が気にならないでしょう。天気がいい日はカーテンをあけっぱなしにして開放感を味わえます。ガーデニングやプールなども、人目を気にせず楽しめるでしょう。
また、道路から離れているため外の騒音が気になりにくい、子どもが道路に飛び出す心配がないこともメリットです。
建物にお金をかけられる
旗竿地を選ぶことで土地代が安くなるため、建物にお金をかけられるようになります。予算的に厳しいと思っていたプランやオプションが可能になったり、憧れだった大手ハウスメーカーでの建築が可能になったりするかもしれません。
また、土地代を抑えたことにより、家具や家電の費用にあてることもできるでしょう。
台風の被害が少ない
旗竿地は隣地に囲まれていることが多いため、周囲の建物が盾の役割になり、台風などの強風時には被害が少ない傾向にあります。台風時に隣の家のカーポートが強風で被害にあったときでもびくともしなかった例もあります。
周囲に建物があることで日当たりや風通しが悪いデメリットがありますが、台風時にはうれしいメリットになります。
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旗竿地に住宅を建てるときの注意点
旗竿地にはデメリットがあるため、有効に活用するには住宅を建てるときにさまざまなことに注意する必要があります。旗竿地に住宅を建てるときの注意点を紹介します。
各ハウスメーカーの見積もりを検証する
旗竿地はクレーン車が入れないため、整形地に比べて人件費がかかることがあります。そのため、それだけ建築の費用が高くなるハウスメーカー、それでも増額しないハウスメーカーなどさまざまです。旗竿地で住宅を建てることが決まったら、複数のハウスメーカーから見積もりを取りましょう。
ハウスメーカーによっては、そもそも旗竿地での建築を引き受けないこともあります。
インフラの整備状況を確認する
あらかじめ電気やガス、水道といったインフラの整備状況を確認して、追加費用がどのくらいかかるか調べておきましょう。すでに整備されていれば問題ないのですが、新たに引き込み工事が必要な場合は注意が必要です。旗竿地は道路から距離があるため、それだけ費用がかかります。
電気にも注意が必要で、旗竿地だと家まで引き込む電線が長くなります。中継ポールが必要となることがあり、その場合20〜40万円の追加費用がかかります。
日当たりのよい3階建てにする
旗竿地は周囲を建物に囲まれていることが多いため、日当たりが悪くなるデメリットがあります。住宅は2階建てが多いため、周囲より高い3階建ての住宅を建てることで日当たりを確保できます。
ただし、日当たりの悪い1、2階の外壁は傷みが早くなることがあります。劣化しにくい外壁を選びましょう。
間口は3m以上が望ましい
建築基準法での接道義務は、間口が2m以上あれば条件を満たせます。しかし、ギリギリの2mだと自動車を停めるには車のドアが開けにくく、乗り降りに苦労するでしょう。旗竿地の間口は、2m以上にすることをおすすめします。
コインパーキングなどの駐車スペースは、幅が2.5mになっていることが一般的です。間口が3mあれば、比較的余裕のある広さになるでしょう。
近所トラブルに注意する
旗竿地は隣地に囲まれた土地が多いため、整形地と比べると近所トラブルが発生しやすくなります。特に旗竿地の竿の部分に塀などの明確な仕切りがないと、境界があいまいになるため注意が必要です。
たとえば、駐車スペースが隣り合っている場合は、境界があいまいなためどちらかが越境して駐車しにくくなるとトラブルになるおそれがあります。境界があいまいな場合は、ブロック塀やフェンスなどで明確な仕切りをつけるなどの対策をおすすめします。
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